この記事の結論
Obsidianの使い方を初心者向けに整理。インストール、リンクとタグ、Notionとの違い、スマホ同期、つまずきやすい点まで。1,397本のノートをClaude Codeに毎日読み書きさせている会社の設定も公開します。
目次9項目
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Obsidianの使い方は、初心者ならまず3つだけです。アプリを入れる、Vault(保存するフォルダ)を1つ作る、フォルダやプラグインを作り込まずに書き始める。ノートはただのMarkdownファイルなので、Claude CodeのようなAIにもそのまま読み書きさせられます。Notionとの違い、スマホとの同期、Gitでのバックアップ、AI連携まで自社の設定で解説します。
Obsidianとは?基本の使い方とAIで変わること
Obsidianとは、パソコンの中のフォルダにMarkdown形式のテキストファイルとしてメモを保存する、無料のノートアプリです。データがクラウドの専用データベースではなく手元のファイルとして残るため、Claude CodeのようなAIがそのまま開いて読み、書き換えられます。ここがほかのノートアプリと決定的に違う点です。
ノートが「ただのファイル」であることの意味
公式ヘルプには、Vaultはローカルのファイルシステム上のフォルダであり、ノートはMarkdown形式のプレーンテキストだと書かれています。Vaultとは、Obsidianが1つの単位として扱うフォルダのことで、その中のサブフォルダも含めた全体を指します。
Markdownとは、# で見出し、- で箇条書きを表すような、記号で文章の構造を書くテキストの書式です。Wordのような専用形式と違い、メモ帳でも開けます。AIはこの形式を非常によく読めます。
つまり、Obsidianで書いたものは、Obsidianを閉じても、極端に言えばObsidianがなくなっても、普通のファイルとして残ります。そしてAIにとっては、人間がアプリで書いたノートも、AIが自分で書いたファイルも、区別なく同じフォルダの中身です。公式ヘルプによると、Obsidianの外でファイルが変更されると、画面にも自動で反映されます。AIが書き換えたノートを、人間はObsidianでそのまま読めるということです。
僕の会社では「AIの記憶置き場」として使っている
僕の会社(株式会社ウラカタ)はマーケティング支援の会社で、エンジニアはいません。それでも社内のルール、案件の経緯、過去の判断、AIが同じ間違いをしないための記録まで、ほぼすべてを1つのObsidianのVaultに入れ、Claude Codeに毎日読み書きさせています。
2026年10月1日時点で、このVaultをGitで管理している範囲を数えると、Markdownファイルは1,397本、案件ごとのフォルダは114個ありました(計測方法=git ls-files と ls による実数カウント)。その多くは、AIが作業のついでに書き足したものです。
この「会社の記憶をAIに持たせる」全体像は、Claude Codeで会社を「第二の脳」にする経営者向けガイドで詳しく書きました。この記事では、その土台になるObsidian自体の使い方と設定に絞ります。
料金とプランの早見表
Obsidianは本体が無料で、有料なのは追加サービスだけです。2026年10月時点の公式ページで確認した内容を表にします。金額はドル建てです。
| 項目 | 料金 | 中身 | AI連携で必要か |
|---|---|---|---|
| Obsidian本体 | 無料 | 個人・商用・非営利のどれでも無料。アカウント登録も不要 | 必要 |
| 商用ライセンス | 1ユーザー年50ドル | 任意。開発の支援目的で、なくても仕事で使える | 不要 |
| Sync Standard | 年払いで月4ドル(月払い5ドル) | 端末間の同期。1Vault・1GB・ファイル上限5MB・履歴1か月 | 不要(Gitで代替可) |
| Sync Plus | 年払いで月8ドル(月払い10ドル) | 10Vault・10GB(100GBまで追加可)・ファイル上限200MB・履歴12か月 | 不要(Gitで代替可) |
| Publish | 年払いで月8ドル(月払い10ドル) | ノートをWebサイトとして公開 | 不要 |
AIと組み合わせるだけなら、Obsidianに払うお金は0円で始められます。かかるのはAI側の料金です。Claude Codeの料金と使用量の上限はClaude Codeの料金と上限の実録にまとめています。
ObsidianとNotionはどちらがいい?
1人〜少人数で、手元に知識を貯めてAIに読ませたいならObsidian、チームでデータベースのように共有・共同編集したいならNotionが向いています。どちらが上というより、データをどこに置くかの違いです。2026年10月時点の両社の公式ページで確認できた範囲で比べます。
| 比べる点 | Obsidian | Notion |
|---|---|---|
| データの保存場所 | 自分の端末のフォルダ(Markdownファイル) | Notionのワークスペース。オフラインでの変更は接続時に同期 |
| オフライン | そのまま使える(ファイルが手元にあるため) | デスクトップとモバイルのアプリで可(公式ガイドが案内しているのはこの2つ)。ページごとに「Available offline」を有効にする(Business以上は最近使ったページなども自動) |
| 料金 | 本体は無料。同期とWeb公開が有料 | 無料プランあり。有料プランは1ユーザーごとの月額 |
| 共同編集 | 同じファイルのリアルタイム同時編集は未対応。Syncの共有Vaultで最大20人と共有はできる | チームでの共有・コメントが前提の作り |
| AIへの読ませやすさ | フォルダをそのままClaude Codeなどに読ませられる | 手元のファイルではないため、外部のAIに渡すにはMarkdownなどへの書き出しか連携の仕組みが要る。Notion内蔵のNotion AIのフル機能はBusiness以上 |
僕の会社がObsidianを使い続けている一番の理由も、最後の行です。AIに会社のルールや過去の判断を毎日読ませるには、データが「ただのファイル」として手元にあるほうが圧倒的に楽でした。一方で、顧客と同じページを同時に編集するような使い方なら、Notionのほうが自然です。両方を使い分けるのも十分ありです。
Obsidianの始め方は?インストールからVault作成まで
Obsidianの始め方は3ステップです。公式サイトからアプリを入れる、Vault(保管するフォルダ)を新しく作るか既存のフォルダを開く、最初のノートを1枚書く。ここまでで10分もかかりません。AIに読ませる前提なら、Vaultを置く場所を最初に決めておくことが、後の手間を一番減らします。
ステップ1:アプリをインストールする
Obsidianの公式サイトのダウンロードページから入れます。2026年10月時点で、macOS、Windows、Linux、iOS、Androidに対応しています。本体を使うのにアカウント登録は要りません。
ステップ2:Vaultを作る(または既存のフォルダを開く)
公式ヘルプの手順では、画面左下のVaultのアイコンから「Manage Vaults...」を開き、「Create new vault」の横の「Create」で新規作成します。名前と保存場所を決めて「Create」を押せば完成です。
すでにメモを入れているフォルダがあるなら、同じ画面の「Open folder as vault」で、そのフォルダをそのままVaultにできます。公式ヘルプによると、Vaultを一覧から外しても、ファイル自体はパソコンに残ります。
ステップ3:置き場所は「AIを起動する場所」として決める
ここが、AIに読ませる人だけが気にすべきポイントです。Claude Codeは、ターミナルで起動したフォルダを作業場所として扱います。だからVaultの場所は、「毎日AIを起動するフォルダ」として決めてください。
僕のVaultは、Macの書類フォルダの直下に1つだけ置いています。さらに、ホームフォルダで claude と打つと自動的にVaultへ移動してから起動するよう、シェルに関数を1つ足しています(2026年6月に設定)。毎回フォルダを指定する手間がなくなるので、AIに聞く回数そのものが増えました。
公式ヘルプは、Vaultの中に別のVaultを作らないよう注意しています。内部リンクが正しく更新されなくなるためです。仕事用と個人用を分けたい場合も、入れ子にせず別々の場所に置くか、1つのVaultの中でフォルダを分けるほうが安全です。
Obsidianが使いにくいと感じる理由と、最初にやめること
Obsidianが使いにくいと感じる理由の多くは、書き始める前に「仕組み」を作り込みすぎることです。自由度が高いぶん、最初に決めることが多く見えてしまいます。最初の1か月は、次の3つをやめるだけでかなり楽になります。
- フォルダを作り込みすぎない:分類を先に決めると、どこに置くか迷って書く手が止まります。最初は数個で十分で、増やすのはノートが溜まってからです
- プラグインを入れすぎない:便利そうなものを次々入れると、設定と不具合の切り分けに時間を取られます。本体だけでも、リンク・タグ・検索は一通り使えます
- タグを増やしすぎない:タグは付け忘れが出た時点で検索の目印として当てにならなくなります。後の章で書くとおり、自社でもタグに頼らない構造にしています
自社のVaultは、Markdownが1,000本を超えた今でも、一番上の階層のフォルダは9つだけです(2026年10月7日に ls で確認)。コミュニティプラグインも4つで、用途は「ベータ版のプラグインを入れるための道具」「Claude Codeを画面の中で使うもの」「LINEに送ったメモを取り込むもの」「グラフビューの見た目を広げるもの」です(2026年10月7日に .obsidian/community-plugins.json で確認)。用途を1行で言えるものしか入れていません。
フォルダ・リンク・タグ・プロパティはどう使い分ける?
フォルダは「どこに置くか」、リンクは「どのノートとつながるか」、タグは「横断的な種類や状態」、プロパティは「日付やステータスなどの決まった項目」を表します。AIに読ませる前提なら、フォルダの役割を明文化し、プロパティで日付と状態を必ず書く、という2つを優先すると効果が大きいです。
4つの機能の早見表
| 機能 | 書き方 | 向いている用途 | AIへの効き方 |
|---|---|---|---|
| フォルダ | ファイルの置き場所 | 案件・知識・決定など、ノートの種類ごとの置き場 | 探す範囲を絞れる。役割の説明があると迷わない |
| 内部リンク | [[ノート名]] | 関連するノート同士をつなぐ | 次に読むべきファイルの手がかりになる |
| タグ | #会議 や #案件/進行中 | 状態・種類など、フォルダをまたぐ分類 | 検索の目印。増やしすぎると逆に迷う |
| プロパティ | ノート冒頭の --- で囲んだ部分 | 日付・ステータス・関連ノートなど決まった項目 | 古い情報か新しい情報かを判断できる |
内部リンク:[[ ]] で囲むだけ
内部リンクとは、Vaultの中の別のノートへ飛べるリンクのことで、Obsidianでは [[ノート名]] と二重の角括弧で書きます。公式ヘルプによると、[[ノート名#見出し]] で特定の見出しへ、[[ノート名|表示する文字]] で表示の文字を変えたリンクが作れます。
ファイル名を変えたときに、Obsidianがリンクを自動で書き換えてくれる設定もあります。ただし、この自動更新はObsidianの画面で名前を変えたときに働くものです。AIがファイル名を変えた場合はリンクが切れる可能性があるので、AIに名前の変更を頼むときは「リンクしているノートも直して」と一言添えています。
タグ:入れ子にできるが、数を増やさない
タグは # に続けて言葉を書けば作れます。公式ヘルプによると、#案件/進行中 のようにスラッシュで階層にでき、数字だけのタグとスペースを含むタグは使えません。大文字と小文字は区別されません。
僕の経験では、タグは少ないほど長持ちします。人間が付け忘れるからです。自社のVaultでも、プロパティにタグを持っているノートは2026年10月1日時点で83本でした(計測方法=Git管理下のMarkdownで冒頭に tags: 行を持つファイルの実数)。全体の1割未満です。タグに頼らず、フォルダとプロパティとリンクで探せる構造にしています。
プロパティ:日付と状態を必ず書く
プロパティとは、ノートの冒頭に --- で囲んで書く、日付やステータスなどの決まった項目のことです。公式ヘルプでは、テキスト、リスト、数値、チェックボックス、日付、日時、タグの型があり、tags(タグ)、aliases(別名)、cssclasses(見た目の指定)の3つが最初から用意されています。
AIに読ませる人が書くべきなのは、まず日付と状態です。自社のノートは、だいたいこんな冒頭にしています。
---
date: 2026-10-01
status: 進行中
tags: [seo, column]
related: [[01-運用設計-v1]]
---
AIは、同じテーマで新旧2つのノートがあると、古いほうを信じてしまうことがあります。日付と状態が冒頭にあれば、「この情報は3か月前のもので、すでに終わった案件だ」と判断できます。人間には当たり前の文脈ほど、ファイルに書いておく必要があります。
AIが読みやすいノートの書き方とは?
AIが読みやすいノートとは、そのファイルだけを開いても前提が分かるノートです。結論を冒頭に書く、1ファイルに1テーマ、固有名詞と数字を省略しない、置き場所のルールを説明書ファイルに書く。この4つを守ると、AIの答えが一般論から自社の事情に沿ったものへ変わります。
ルール1:結論と日付を冒頭に書く
AIはファイルを全部読むとは限りません。長いファイルは先頭だけ読んで判断することもあります。だから、「何が決まったか」「いつの情報か」を最初の数行に書きます。
自社では、判断の記録を Decisions/ フォルダに「日付-件名」のファイル名で残しています。2026年10月1日時点で20本あります。ファイル名だけで、いつ何を決めたかが分かる形です。
ルール2:1ファイル1テーマにする
1つのノートに複数の話題を混ぜると、AIが別の話題の情報を取り違えます。会議メモでも、案件ごとに分かれるなら分けます。分けたあとは内部リンクでつなげば、人間がたどるのにも困りません。
ルール3:「あれ」「例の件」と書かない
人間のメモは、自分が分かれば十分なので省略だらけになります。「例の件、来週までに」と書いても、AIには何のことか分かりません。社名、商品名、金額、日付を省略しないことが、AIへの一番のやさしさです。
ルール4:フォルダの役割を説明書に書く
AIが読みやすいVaultにするうえで、一番効いたのはこれでした。CLAUDE.mdとは、Claude Codeが起動するたびに読み込む指示書のファイルで、AIにそのフォルダの前提やルールを伝えるためのものです。
自社のVaultでは、Vaultの一番上にCLAUDE.md(66行)を置き、その中で「必ず読むルール」として rules/ フォルダの13ファイルを指定しています。ルールの中身は、判断の優先順位、文章の書き方、どのフォルダに何を保存するか、やってはいけないことなどです。公式ドキュメントはCLAUDE.mdを1ファイル200行未満にすることを勧めているので、長くなる内容はこのように別ファイルへ分けています。
フォルダの役割も、このルールの中に表で書いてあります。たとえば次のような書き方です。
| フォルダ | いつ書くか |
|---|---|
| Knowledge/ | 問題を解決した、新しい発見があった、次回知っておきたかったこと |
| Decisions/ | 複数の選択肢から1つを選んだ、方針を決めた |
| Projects/ | 案件の状態や進み具合が変わった |
| Preferences/ | 好みや作業スタイル、表現のルールが新たに分かった |
これを書いておくと、AIは作業のついでに「この発見はKnowledgeに残しておきます」と自分から記録するようになります。説明書の書き方の基本と、何を書くべきかは、第二の脳ガイドのCLAUDE.mdの章に詳しく書いています。
ルール5:AIの間違いは「次からどうするか」の形で残す
自社のVaultには Knowledge/mistakes.md というファイルがあり、AIが間違えて僕が訂正した内容を記録しています。書き方は「何を間違えたか」「次回からの正しい対応」「どんな場面で適用するか」の3点に決めています。ただの反省文ではなく、次に同じ場面が来たときにAIが読んで行動を変えられる形にするのがコツです。
Obsidianの同期とバックアップはGitでどうやる?
AIに読み書きさせるVaultの同期とバックアップは、Gitが向いています。Gitとは、ファイルの変更履歴を記録し、いつ誰が何を変えたかを確認したり、以前の状態に戻したりできる仕組みです。AIの書き換えが間違っていても戻せるので、AIに広い権限を渡すための保険になります。自社では、Claude Codeの起動時と応答終了時に自動で同期させています。
同期の方法を比べる
公式ヘルプは、同期の方法としてObsidian Sync、iCloud、OneDrive、Googleドライブ、Syncthing、Gitなどを挙げています。AIと組み合わせる観点で比べると、次のようになります。
| 方法 | 費用 | 変更の確認 | 間違いを戻す | AI連携での向き不向き |
|---|---|---|---|---|
| Obsidian Sync | 年払いで月4ドルから | 版の履歴(Standardは1か月) | 版の履歴から戻せる | スマホ中心なら簡単。行単位の差分確認は弱い |
| iCloudなどのクラウド | 各サービスの料金 | ほぼ見えない | サービス次第 | 手軽だが、AIが何を変えたか追いにくい |
| Git(GitHubなど) | 利用するサービスによる | 1行単位で見える | どの時点にも戻せる | AIの変更を検証・取り消しできる。導入に一手間 |
ここで公式ヘルプが明確に注意しているのが、同じVaultを複数のサービスで同時に同期しないことです。たとえばSyncとiCloudを両方使うと、競合やデータの破損が起きるおそれがあります。どれか1つに決めてください。
スマホ(iPhone・Android)と同期するには?同期しないときは?
スマホと同期するなら、iPhoneはObsidian SyncかiCloud Drive、AndroidはObsidian Syncが一番迷いません。公式ヘルプでは、iPhone・iPad向けにこの2つが推奨として挙がっています。Obsidian SyncはWindows・Mac・Linux・iOS・Androidのすべてで使えます。
| 端末 | 公式ヘルプが挙げる方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| iPhone・iPad | Obsidian Sync/iCloud Drive | iCloudはMac・iPhone・iPadの組み合わせ向け。WindowsのiCloud Driveはファイルの重複や破損の原因になり得ると注意されている |
| Android | Obsidian Sync/Googleドライブ/Syncthingなど | OneDriveはAndroidではうまく動かないことがあり、別の同期アプリの併用が案内されている |
| Git派 | iPhoneはGitクライアントアプリ経由 | 公式サポート外。ただし使っている人は多いとされている |
同期しないときに、まず確かめたいのは3つです。
- iCloudの置き場所:公式ヘルプは、Vaultを「iCloud Drive」の中の「Obsidian」フォルダの下に置くよう指示しています。アイコンの付いていない普通のフォルダに置くと、同期がうまくいかない原因になります
- オフラインで使える設定:OneDriveやGoogleドライブでは、ファイルを端末に常に保存しておく設定(Available Offline)が必要です。これがないと、Obsidianからはファイルが無いように見えます
- 二重同期:Obsidian SyncとiCloudなど、2つの方法を同時に使っていないか。公式のトラブルシューティングでも、ファイルが消える原因の1つに挙がっています
自社のスマホでの使い方は少し違います。外出先では、Claude Codeのクラウドセッションで、GitHubに置いたVaultをAIに読ませています。スマホのObsidianアプリでノートを開くのではなく、「AIに聞く」形で会社の記憶を参照している形です。この使い方の詳細はClaude Codeをスマホで使う方法にまとめています。
自社の設定:Claude Codeのフックで自動同期
自社のVaultは、2026年7月19日からGitHubの非公開リポジトリで管理しています。目的は、外出先のスマホからもClaude Codeで会社の記憶を参照できるようにすることでした。
同期の仕組みは、Claude Codeのフックです。フックとは、Claude Codeの特定のタイミングで、決めておいたコマンドを自動実行する機能です。自社では、セッション開始時(SessionStart)と、Claudeが応答を終えたとき(Stop)の2か所に、同期用のスクリプトを登録しています。スクリプトの中身は単純で、変更をまとめて記録し、GitHubの最新を取り込み、送り出すだけです。フックには async(裏で実行)の指定を付けているので、作業を待たせません。
フックの書き方と使いどころはClaude Codeのフック解説にまとめています。
数字で言うと、2026年7月19日の初回から10月1日までの記録は1,488回でした。9月の1か月だけで810回、そのうち786回がこの自動同期による記録です(計測方法=git log のコミット数とメッセージの集計。日本時間で区切り)。人間が「保存しよう」と意識したことは一度もありません。毎日の作業がそのままバックアップになっています。
競合した場合の扱いも決めています。取り込みに失敗したら無理に合わせず中止し、手元の内容を優先して次回に持ち越します。データを壊さないことを、速さより優先しました。
Gitに入れないものを決める
Gitで管理するなら、入れないものを決めるファイル(.gitignore)が同じくらい大事です。自社のものは2026年10月1日時点で148行あります。主に次の3種類を外しています。
- Obsidianの画面配置の記録(
.obsidian/workspace.json)。開いているタブが変わるたびに書き換わり、無駄な記録が増えるため - プラグインの設定ファイル(
.obsidian/plugins/*/data.json)。連携サービスのトークンが入ることがあるため - 動画とzipファイル。サイズが大きく、リポジトリが重くなるため
最後の点は、反省も込めて書いておきます。画像や音声はGitに入れたままにしているので、Gitの管理領域はすでに3.2GBまで膨らんでいます。大きなファイルは、最初から別の場所に置く設計にしておくべきでした。
Claude CodeからObsidianのVaultを読み書きする設定は?
設定は驚くほど少なく済みます。Claude Codeを入れる、VaultのフォルダでClaude Codeを起動する、Vaultの一番上にCLAUDE.mdを置く。この3つで、AIがノートを読み、書き、整理できる状態になります。あとは、読ませたくないファイルを権限設定で外しておけば、日常の運用に入れます。
ステップ1:Claude Codeを入れる
公式ドキュメントの推奨はネイティブインストールで、macOS・Linux・WSLではターミナルに次の1行を貼り付けます。
curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash
WindowsのPowerShellでは irm https://claude.ai/install.ps1 | iex です。ターミナルを使わずに始めたい人向けに、デスクトップアプリも用意されています。2026年10月時点で、Claude Codeを使うにはPro・Max・Team・Enterpriseのいずれかのプランか、APIのアカウントが必要です。無料プランでは使えません。インストールからの詳しい流れはClaude Codeの使い方で解説しています。
ステップ2:Vaultのフォルダで起動する
ターミナルでVaultのフォルダへ移動し、claude と打ちます。これだけで、Claude CodeはVaultの中のノートを読み書きできます。Obsidian専用の連携設定は要りません。ノートがただのファイルだからです。
試しに「このVaultの構成を見て、フォルダごとに何が入っているか教えて」と頼んでみてください。AIが実際にフォルダを開いて回り、一覧を返してきます。これが動けば、接続は完了しています。
Obsidianの画面の中からAIを呼び出したい場合は、コミュニティプラグインという選択肢もあります。自社のVaultにも、Claude Codeを画面に組み込むプラグインを入れています。ただ、最初はプラグインなしで始めることをすすめます。仕組みが単純なほうが、うまくいかないときに原因を探しやすいからです。
ステップ3:CLAUDE.mdを置く
Vaultの一番上に CLAUDE.md を置きます。公式ドキュメントによると、Claude Codeは起動したフォルダとその上の階層にあるCLAUDE.mdを、起動時に読み込みます。/init と打てば、最初のCLAUDE.mdを自動で作ってもらうこともできます。
ほかのAIツールも併用しているなら、AGENTS.md の扱いも知っておくと便利です。AGENTS.mdとは、Claude Code以外のAIエージェントも読む共通の指示書ファイルです。自社ではCodex用にAGENTS.mdも置き、CLAUDE.mdとAGENTS.mdのどちらも同じ rules/ フォルダを参照する形にしています。ルールの本体を1か所で直せば、両方のAIに反映されます。なお公式ドキュメントでは、CLAUDE.mdがある場合、既定ではClaude CodeはAGENTS.mdではなくCLAUDE.mdを読むと説明されています。
ステップ4:AIの記憶とVaultの役割を分ける
Claude Codeには、AIが自分でメモを残す自動メモリという機能もあります。自動メモリとは、利用者の訂正や好みをClaude Codeが自分で書き留め、次のセッションで読み返す仕組みです。公式ドキュメントによると、保存先はプロジェクトごとのフォルダで、索引ファイルの先頭200行(または25KB)が毎回読み込まれます。
自社のVaultに対応する自動メモリのフォルダには、2026年10月1日時点で219ファイルが入っていました(計測方法=フォルダ内のファイル数の実数。索引のMEMORY.mdを含めると220)。役割は分けています。自動メモリは「次に思い出すべき要点の索引」、Vaultは「詳しい記録の本体」です。メモリの1行に「詳細はProjects内のこのファイル」と書いておき、必要なときにAIが本体を読みに行く形です。
注意点として、公式ドキュメントには自動メモリはその端末の中だけに保存され、別の端末やクラウドとは共有されないと書かれています。どの端末からでも参照したい記録は、自動メモリではなくVaultに書いてください。
ステップ5:読ませたくないファイルを権限設定で外す
Claude Codeの設定ファイルでは、特定のファイルを読ませないルールを書けます。公式ドキュメントの例では、permissions の deny に Read(./.env) のように指定すると、そのファイルを読む操作を止められます。
ここで知っておくべきなのは、CLAUDE.mdに「このファイルは読まないで」と書くだけでは確実ではないことです。公式ドキュメントは、CLAUDE.mdは文脈として渡されるもので強制力のある設定ではない、と明記しています。確実に止めたいものは、言葉ではなく設定で止めてください。
Obsidian×AIでやってはいけないことは?
一番やってはいけないのは、パスワードやAPIキーなどの認証情報を、ノートやスクリプトに平文で書くことです。AIが読める場所にあると、作業の途中で別のファイルへ書き写されることがあります。ほかにも、複数の同期サービスの併用、Vaultの入れ子、Gitなしで広い書き込み権限を渡すことは避けてください。起きやすいものから順に書きます。
失敗しやすいこと1:認証情報をスクリプトに直書きさせる
AIにデプロイや連携用のスクリプトを書かせると、手近にある認証情報の値をそのまま書き込んでしまうことがよくあります。とにかく動かすことを優先すると、直書きがいちばん手っ取り早いからです。認証情報のノートを同期から外していても、スクリプトのほうが同期の対象なら、書き写された値はそのままリポジトリへ送られます。
しかもGitには過去の版が残るため、あとでファイルから値を消しても履歴からは消えません。気づいた時点で、パスワードそのものを変える必要が出てきます。ファイルの修正だけでは済まないので、後から直すより、最初からルールにしておくほうがずっと楽です。
決めておきたいのは3つです。認証情報は環境変数やmacOSのキーチェーンなどVaultの外に置き、スクリプトは実行するときにそこから読み込む形にすること。CLAUDE.mdなどAI向けのルールに「認証情報をファイルに直接書かない」と明記しておくこと。そして、AIが新しいスクリプトを作ったら、値が直書きされていないかを確かめてから同期すること。
AIに任せる範囲を広げるほど、秘密の値は「AIが読める場所にそもそも置かない」設計が必要になります。
失敗しやすいこと2:同期サービスを重ねる
前の章で書いたとおり、公式ヘルプは同じVaultを複数の同期サービスで同時に同期しないよう注意しています。「念のためiCloudにも」と重ねたくなる気持ちは分かりますが、バックアップを増やすつもりで競合を増やすことになります。
失敗しやすいこと3:Gitなしで書き込みを任せる
AIに「Inboxを整理して」と頼むと、何十ものファイルが一度に動きます。ほとんどは正しく動きますが、間違ったときに元の状態が分からないと、確認のしようがありません。書き込みを任せるなら、先にGitなどで変更履歴が残る状態にしてください。戻せる仕組みがあるから、思い切って任せられます。
失敗しやすいこと4:コミュニティプラグインを無確認で入れる
Obsidianには有志が作るコミュニティプラグインが多数あります。公式ヘルプは、コミュニティプラグインは第三者のコードを実行するもので、害を及ぼす可能性があると注意しています。入れる前に、作者と更新状況、何の権限を使うかを確認してください。自社のVaultでも、入れているコミュニティプラグインは4つに絞っています。
失敗しやすいこと5:個人情報をそのまま入れる
顧客や応募者の個人情報、家族の金銭の記録などは、AIに読ませる必要があるかを入れる前に考えてください。自社では、原本の画像や明細のような生データは同期対象から外し、必要な要点だけを別のノートに書き写す運用にしています。AIが読む範囲と、端末の外に出る範囲を、それぞれ意識して決めることが大切です。
この線引きを決めたうえで、どんな業務から任せるかはClaude Codeの活用事例で業務別に紹介しています。
まとめ
- Obsidianは、ノートをMarkdownファイルとして手元に保存する無料のアプリです。仕事で使っても無料で、AIがファイルをそのまま読み書きできます
- 始め方は、インストール、Vaultの作成、最初のノートの3ステップです。Vaultの場所は「毎日AIを起動するフォルダ」として決めます
- AIに読ませるなら、プロパティに日付と状態を書き、フォルダの役割をCLAUDE.mdなどの説明書に書くことが一番効きます
- 同期とバックアップはGitが向いています。自社では2026年7月から10月1日までに1,488回の記録が、フックで自動的に残りました
- 認証情報は平文で置かない、同期サービスを重ねない、Gitなしで書き込みを任せない。この3つを最初に決めてください
よくある質問
Obsidianは仕事で使っても無料ですか?
無料です。2026年10月時点の公式ライセンスでは、個人・商用・非営利のどの用途でも無料で使えます。商用ライセンス(1ユーザー年50ドル)はありますが任意で、開発を支援したい会社向けの位置づけです。有料なのは同期のSyncと公開のPublishだけです。
Obsidian SyncとGit、同期はどちらを選ぶべきですか?
AIにファイルを書き換えさせるならGitをおすすめします。いつ何が変わったかを1行単位で確認でき、間違った変更も戻せるからです。スマホでも手軽に読み書きしたいだけならSyncが簡単です。ただし公式は、同じVaultを複数の同期サービスで同時に同期しないよう注意しています。
Claude CodeとObsidianの連携にプラグインは必要ですか?
必須ではありません。Obsidianのノートはただのファイルなので、Vaultのフォルダでターミナルを開いてClaude Codeを起動すれば、そのまま読み書きできます。プラグインは、Obsidianの画面の中からAIを呼びたい場合の選択肢で、最初はなしで始めるほうが仕組みを理解しやすいです。
Obsidianのタグとフォルダはどちらで整理すべきですか?
置き場所はフォルダ、横断的な状態や種類はタグ(またはプロパティ)で分けるのが扱いやすいです。フォルダは1ノートにつき1つしか選べませんが、タグは複数付けられます。AIに読ませる前提なら、タグを増やすより、フォルダごとの役割を説明書ファイルに書いておくほうが効きます。
Obsidianのノートを無料プランのClaudeに読ませられますか?
Claude Codeでは読ませられません。2026年10月時点の公式ドキュメントでは、Claude CodeにはPro以上の有料プランかAPIのアカウントが必要です。チャット版にノートを貼り付けて質問はできますが、Vault全体を読ませて書き換えまで任せるにはClaude Codeが要ります。