この記事の結論
AIエージェントの作り方を、ノーコード・Claude Code・SDKの3段階で比べました。僕の会社は記事公開を無人のエージェント群で1日3枠回し、直近1週間の検品一発合格率は87.5%。設計の型と止まった失敗まで公開します。
目次9項目
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AIエージェントの作り方は、ノーコードの設定画面で作る、Claude Codeの定義ファイルで作る、SDKで自作する、の3段階です。中小企業の実務ならClaude Codeの段階がおすすめです。僕の会社はこのメディアの記事公開を無人のエージェント群で1日3枠回しています。選び方と設計の型、止まった失敗、費用まで公開します。
AIエージェントとは?チャットAIと何が違うのか?
AIエージェントとは、AIが道具を使い、結果を見て次の手を自分で決めながら、仕事を最後まで進める仕組みのことです。チャットAIは質問に文章で答えて終わります。エージェントはファイルを読む、検索する、書き換える、コマンドを実行するといった作業まで自分で回します。違いは「答える」か「片付ける」かです。
Anthropicの公式ドキュメントも、エージェントを、自分で手順を計画し、ファイルの読み書きやコマンドの実行をする道具を呼び出して仕事を終わらせるアプリケーション、という趣旨で説明しています。ここでいう道具(ツール)とは、AIが外の世界に働きかけるための機能のことで、ファイル操作、Web検索、外部サービスの呼び出しなどが当たります。
チャットAIとの違いを表にします。
| 比べる点 | チャットAI | AIエージェント |
|---|---|---|
| 出すもの | 文章の答え | 仕事の結果(ファイル、公開済みの記事、送った通知など) |
| 手順 | 人が1往復ずつ指示する | AIが計画し、結果を見て次の手を決める |
| 道具 | 基本は使わない | ファイル操作・検索・コマンド・外部サービス |
| 人の役割 | 毎回の指示役 | 目的と範囲を決め、結果を確かめる役 |
| 失敗したとき | 答えが間違うだけ | 間違った操作が実行されることがある |
最後の行が、作り方を考えるうえで一番大事な点です。エージェントは手を動かすので、間違えたときの影響も実際の作業に出ます。だから作り方の半分は「何をさせないか」「止まったらどうするか」の設計になります。後の章で、僕の会社が決めている型を出します。
エージェントループとは、AIが「考える→道具を使う→結果を読む→次を決める」を、仕事が終わるまで繰り返す動き方のことです。チャットAIにはこのループがありません。どの作り方を選んでも、中身はこのループに「どの道具を渡すか」「どこで止めるか」を足していく作業になります。
AIエージェントの作り方は3段階。どれを選ぶべきか?
作り方は、ノーコードの設定画面で作る段階、Claude Codeの定義ファイルで作る段階、SDKで自作する段階の3つです。社内資料に答えさせるだけならノーコード、社内の実務を任せたいならClaude Code、自社サービスに組み込むならSDKが目安です。中小企業が最初に選ぶなら、作るのも直すのもテキストの編集で済むClaude Codeの段階をおすすめします。
3段階を表で比べます(2026年10月時点の公式情報で確認)。
| 段階 | 代表例 | 必要なもの | できること | 向く使い方 |
|---|---|---|---|---|
| 1. ノーコード | ClaudeのProjects、GeminiのGems、ChatGPTのGPTs、Dify、n8n | 契約と画面での設定 | 指示と資料を覚えたAI、決まった流れの自動化 | 社内Q&A、定型の問い合わせ対応 |
| 2. Claude Code | サブエージェント、スキル、フック、MCP、定期タスク | Claudeの有料プランとMarkdownファイル | 手元のファイルを読み書きし、実務を最後まで進める | 社内の実務を担当ごとに任せる |
| 3. SDKで自作 | Claude Agent SDK(PythonとTypeScript) | プログラミングとAPIキー、動かす環境 | 自社のアプリやサービスにエージェントを組み込む | 顧客向けの機能、社外に出す製品 |
段階1:ノーコードで作る
ノーコードの段階は、指示文と参考資料を登録して「専用のAI」を作るものと、画面上で処理の流れを組む自動化ツールの2種類に分かれます。
1つ目の代表がClaudeのProjectsです。Projectsとは、専用の指示と資料(ナレッジ)を持った会話の作業部屋のことで、無料プランでも5つまで作れます。有料プランでは、資料を検索して使う仕組みで扱える量が最大10倍に広がると公式ヘルプにあります。GoogleのGeminiでは「Gems」が同じ役割で、名前と指示文、資料を登録して使います。
ここで1つ、2026年10月時点で注意したい動きがあります。GoogleのヘルプにはGemsが今後スキルへ移行し、2026年11月から個人のGoogleアカウントではGemsが無くなるという案内が出ています。OpenAIのヘルプセンターでも、カスタムGPTsをプラグインへ移す方針が案内されており、Enterprise向けには2026年12月11日に停止する予定で、ほかのプランも同じ時間軸で順次移行する見込みとしています。GoogleとOpenAIのノーコードの「専用AI」は、作り直しの時期に入っていると見てよさそうです。いま新しく作るなら、移行先の仕組みを各社の公式で確かめてからにしてください。
2つ目が、処理の流れを画面で組むツールです。Difyは、エージェントやワークフロー、チャットボットを作れるオープンソースの基盤で、クラウド版と自社サーバーに置く版があります。n8nにはAI Agentという部品があり、チャット用のモデルと1つ以上の道具をつなぐと、エージェントがどの道具を呼ぶかを自分で決めます。n8nもクラウド版と自社運用の両方が選べます。
ノーコードの段階は、触ってすぐ形になるのが強みです。一方で、手元のファイルを直接書き換える、社内のフォルダ全体を読んで判断する、といった実務の深い所までは届きにくいのが弱みです。僕の会社では主軸にしていません。
段階2:Claude Codeで作る
Claude Codeとは、ターミナルやデスクトップアプリからClaudeに作業そのものを任せるAnthropicのツールです。エージェントを作るための部品が5つそろっていて、どれもMarkdownファイルか設定ファイルで定義します。プログラミングは要りません。
| 部品 | 何をするか | 定義の置き場所 | 社内での使い方 |
|---|---|---|---|
| サブエージェント | 仕事を切り出して別の担当に任せる | .claude/agents/ か ~/.claude/agents/ | 執筆担当と検品担当を分ける |
| スキル | 繰り返す手順書を必要なときだけ読ませる | .claude/skills/<名前>/SKILL.md など | 記事の型、レポートの型 |
| フック | 決まったタイミングで自動的に処理を走らせる | 設定ファイル | 無人実行中の確認を自動で断る |
| MCP | 外部のサービスやデータにつなぐ | claude mcp add で登録 | 検索データ、広告管理、会計 |
| 定期タスク | 決まった時刻に新しいセッションを起動する | アプリの「Routines」画面 | 毎日の記事公開と改善 |
サブエージェントとは、メインの会話から切り出した作業を、自分専用の文脈で処理して要約だけを返す、Claude Code内の担当者のような仕組みです。定義に必須なのは名前と説明の2項目だけで、使うモデルや使える道具、権限の基準も書けます。公式ドキュメントでは、サブエージェント自身の処理もメインの会話と同じ使用量の上限に数えられると明記されています。担当の作り方は、Claude Codeのサブエージェントの作り方に定義ファイルの中身ごと書きました。
スキルとは、手順書や型を SKILL.md というファイルにまとめ、Claudeが必要と判断したとき、または /スキル名 で呼んだときだけ読み込ませる仕組みです。本文は使うときだけ読まれるので、長い手順書を置いても普段の負担はほとんど増えません。詳しくはClaude Skillsの作り方にまとめています。
フックとは、セッションの開始、道具を使う直前、許可の確認が出たとき、応答の終了時などに、自動で処理を走らせるClaude Codeの仕組みです。後の章で書く「無人のときだけ確認を自動で断る」仕組みも、このフックで作っています。仕組みと設定例はClaude Codeのhooksの使い方をご覧ください。
MCPとは、AIと外部の道具やデータをつなぐためのオープンな共通規格(Model Context Protocol)のことです。Claude Codeでは claude mcp add で接続先を登録し、そのプロジェクトだけ、チームで共有、自分の全プロジェクト、の3つの範囲から選べます。入門はMCPとはに書きました。
定期タスクとは、決まった時刻に新しいセッションを自動で立ち上げ、あらかじめ書いた指示を実行させる機能のことです。デスクトップアプリの定期タスクは手元のファイルに触れますが、アプリが起動していてパソコンが起きている間しか動きません。眠っていた間の予定は飛ばされ、起きたときに直近7日のうち最新の1回分だけ追いかけて実行されます。パソコンが閉じていても動かしたいなら、クラウドで動くルーティンを使います。ターミナルから1回だけ無人で動かす claude -p との違いはclaude -pとはで整理しました。
段階3:SDKで自作する
Claude Agent SDKとは、Claude Codeと同じ道具、エージェントループ、文脈の管理を、PythonとTypeScriptのプログラムから使えるようにしたライブラリです。サブエージェント、フック、MCP、権限、スキルといったClaude Codeの機能も、そのまま組み込めます。自社のアプリやサービスの中にエージェントを入れたいときの選択肢です。
注意点は認証です。公式ドキュメントでは、事前の承認がない限り、SDKで作った製品にclaude.aiのログインや使用量の枠を使わせることは認められておらず、APIキーで認証するよう案内されています。つまりSDKの段階は、サブスクの定額ではなくAPIの従量課金が前提です。ほかに、Anthropicが実行環境ごと預かるManaged Agentsや、APIを直接呼んで道具の呼び出しを自分で書く方法もあります。
どれを選ぶか:判断の早見表
| やりたいこと | おすすめの段階 | 理由 |
|---|---|---|
| 社内規程や商品資料に答えるAIがほしい | 1. ノーコード(Projectsなど) | 資料と指示を登録するだけで済む |
| 問い合わせの振り分けなど、決まった流れを自動化したい | 1. ノーコード(Dify、n8nなど) | 流れを画面で組め、外部サービスとつなぎやすい |
| 記事・レポート・LP修正など、社内の実務を任せたい | 2. Claude Code | 手元のファイルを読み書きでき、担当や手順を文章で定義できる |
| 毎日決まった時刻に、人がいなくても回したい | 2. Claude Codeの定期タスク | 手元の資料とログイン済みの道具をそのまま使える |
| 顧客が使うサービスにエージェントを組み込みたい | 3. SDK | 自社の画面や仕組みの中で動かせる |
僕の会社は2を選びました。理由は、毎日使っているClaude Codeの中で完結し、担当の追加も手順の修正も文章の編集だけで済むからです。
AIエージェントの設計はどう決める?外せない5つの型
設計で決めるのは、役割、道具、権限、検品役、止まったときの扱いの5つです。作り方の段階が違っても、この5つは共通です。特に検品役と止まったときの扱いは後回しにされがちですが、無人で回すほど効いてきます。僕の会社はこの5つを、担当の定義ファイルと定期タスクの手順書に文章で書いています。
| 型 | 決めること | 僕の会社の決め方 |
|---|---|---|
| 役割 | 1人の担当に何を任せ、何を任せないか | 軽作業・日常作業・深掘り・検品の4担当。迷ったら日常作業へ |
| 道具 | どの道具を渡すか | 担当ごとに必要な道具だけ。無人の手順では使ってよいコマンドを列挙 |
| 権限 | 確認なしで進めてよい範囲 | 読むのは広く、書くのは狭く、外に出す操作は人が押す |
| 検品役 | 作った本人と別の担当が点検するか | 執筆と検品を必ず別の担当に分け、検品役は直さず指摘だけ返す |
| 止まったときの扱い | 失敗・時間切れ・異常をどう扱うか | 途中まで書いた変更を戻し、記録を残し、人に通知して終える |
役割:担当の重さでモデルを分ける
役割は、仕事の重さで分けると決めやすくなります。僕の会社の共通ルールでは、大きな設計判断や複雑な調査、重要な点検は最上位のFable、日常の開発や記事作成はOpus、単純な置き換えや定型作業はSonnet、ごく軽い一覧化や整形はHaikuと決めています。迷ったらOpusです。この基準を担当の定義ファイルに書いておくと、AIが自分で振り分けます。
権限:ツールの許可と仕事の承認を分ける
権限は「ツールを使ってよいか」と「その仕事をしてよいか」を分けて考えます。たとえば記事の公開は、ツールとしては許可していても、検品役の合格が出たものだけに限っています。広告の設定変更、支払い、クライアントへの送付は、無人の手順では一切させていません。許可の設定で毎回確認が出て困っている方は、Claude Codeで毎回許可を聞かれる原因と設定も参考になります。
検品役:作った本人に点検させない
検品役とは、成果物を作った担当とは別の文脈で、合格基準に照らして点検だけを行う担当のことです。作った本人は前提を共有しているので、同じ見落としを繰り返します。サブエージェントは会話の履歴を引き継がずに始まるので、前提を知らない第三者として点検させられます。このメディアでも、2026年10月4日の昼の枠では、検品役が1回目に不合格を出し、指摘3点を直した2回目で合格しました。
止まったときの扱い:失敗の後片付けまで手順に書く
止まったときの扱いは、エラーの種類ごとに「戻す・記録する・知らせる」を手順に書きます。このメディアの手順書では、検品に2回落ちた記事は公開せず保留にし、書き換えた既存記事は編集前の版へ自動で戻します。途中で異常終了したときも、ロックを外し、どこまで進んだかをログに書いてから終えます。
実例:このメディアは無人のエージェント群で回っている
いま読んでいる「裏方AIラボ」は、Claude Codeの定期タスクとサブエージェントで、記事の企画から公開、改善、報告まで無人で回しています。新規記事は朝・昼・晩の3枠で各1本まで、週21本までです。公開前に人は確認せず、別の担当の検品に合格したものだけを公開し、公開ごとに結果のメールを代表の僕に送ります。2026年10月3日からこの形で動いています。
1日の時間割
定期タスクは、置きっぱなしにしている自動運用用のMacで動かしています。2026年10月5日時点の構成です。
| 時刻 | 担当 | 仕事 |
|---|---|---|
| 毎日 5:20 | 画像の後付け係 | 画像の無い既存記事に、アイキャッチを1日4本まで付ける |
| 毎日 6:10 | 情報収集係 | 公式の情報源の新着を集め、新規の候補と既存記事の更新に振り分けてキューに入れる |
| 毎日 7:00・10:30・18:00 | 公開係(3枠) | キューの最上位を1本書き、検品に通し、合格なら公開して結果をメールする |
| 毎日 14:30 | 改善係 | 既存記事を1本、検索の結果や監査の指摘に沿って直す |
| 月曜 5:40・9:00 | 計測係 | 順位の計測を登録し、結果と流入を見てキューの優先度を付け直し、週次報告を送る |
| 毎月1日 9:30 | 総点検係 | 全記事の事実を公式と照らし直す |
1つの公開枠で起きていること
公開係の1回の仕事は、次の順番で進みます。手順書は1つのMarkdownファイルで、朝・昼・晩の3枠が同じ正本を読みます。
- ロックを取る(ほかの枠や改善係と同時に本番を書き換えないため)
- 公開停止のスイッチと、新規の本数の上限を確かめる
- キューから最上位の1件を取り出す。書ける一次情報が無ければ、新規は書かずに改善に回す
- 執筆担当(日常作業のサブエージェント)が、公式で事実を確かめながら下書きと画像を作る
- 検品担当(検品用のサブエージェント)が、公式の出典を取り直して照合する
- 機械のチェック(日付、重複、AI利用の開示、内部リンク、画像など)を通ったものだけ本番に反映する
- 記録を残し、ロックを外し、結果のメールを送る
実測では、2026年10月5日の朝の枠は7時3分に始まり、7時19分にロックを外していました。執筆、画像生成、検品、公開まで含めて約16分です。10月4日の昼の枠は検品のやり直しが入り、10時43分から11時10分まで約27分でした(どちらも実行ログの記録)。
暴走させないための安全装置
無人で回すうえで入れている仕組みは5つです。
| 仕組み | 何を防ぐか | 中身 |
|---|---|---|
| ロック | 2つの担当が同時に本番を書き換える事故 | 1回の実行で1つだけ鍵を持ち、期限は120分 |
| 編集前の控え | 不合格の書き換えが本番に残る事故 | 既存記事は編集前に控えを取り、不合格なら自動で戻す |
| 本数の上限と自動減速 | 品質が落ちたまま量産を続けること | 1日3本・週21本。検品の一発合格率が直近2週で60%未満などの悪化があれば、機械が1日の上限を1段ずつ下げる。上げるのは人だけ |
| 機械のチェック | 日付のごまかしや開示漏れ | 公開日の変更、中身が変わらない更新日の引き上げ、題名の重複などを見つけたら公開を中止する |
| 結果のメール | 人が気づかないまま進むこと | 公開・改善のたびに1通。止まった定期タスクがあればそれも載る |
結果も数字で見ています。2026年9月29日から10月5日の1週間で、新規5本、更新1本、改善2本を公開しました。キューの記録で数えた検品の一発合格率は87.5%(判定8件のうち7件が1回目で合格)、公開後の事実訂正は0件でした。この期間に一発合格率の悪化は無く、自動減速も起きていません。
無人で回して何が止まったか?失敗と対策
一番多かったのは、権限の確認待ちで止まる失敗です。人が見ていないので、確認画面に誰も答えず、そのまま何時間も止まります。ほかに、検品の結果を待たずに担当が仕事を終えてしまう失敗、外部サービスの認証切れ、高いモデルによる利用枠の消費がありました。どれも「動いているように見える」のが厄介な点です。
| 失敗 | 起きたこと | 対策 |
|---|---|---|
| 許可待ちで停止 | 2026年10月2日の朝、情報収集と公開の2本が、AIがその場の判断で使った echo・cd・変数の代入で確認画面を出し、止まった | 手順書の冒頭に「1回に1コマンドだけ、使ってよいコマンドはこれだけ」という鉄則を入れ、許可リストも足した |
| 結果を待たずに終了 | 10月2日の昼、改善係が検品の担当を裏で走らせたまま「結果待ちです」と書いて終わり、未検品の編集とロックが残った | 担当を呼ぶときは必ず結果が返るまで待つ設定にし、未検品の編集は控えから戻した |
| 即興の道具で停止 | 改善係は4回続けて止まり、そのうち多くは担当が curl やブラウザの道具を即興で使って確認待ちになったもの | 無人実行中だけ、許可の確認を自動で断るフックを入れた。5回目の10月2日18時20分に初めて全自動で完走 |
| 認証切れ | 10月3日の晩から4日の昼まで3枠続けて、検索データ連携のサイトマップ再送信が認証エラーで失敗した | 人のログインを借りる方式から、人のログイン状態に依存しないサービス用の鍵で認証する方式に切り替えた |
| 利用枠の消費 | 9月28日の調査で、最上位モデルの応答3,815回がすべて、台本で全工程にそのモデルを指定したサブエージェントのものだった | 高いモデルは点検と調査の工程だけにし、生成の工程は日常用のモデルに戻した |
許可待ちは「許可を広げる」より「断って先へ進む」
許可待ちへの対策は2段構えです。まず、使ってよいコマンドを手順書に列挙し、担当に即興をさせません。次に、それでも確認が出たときは、フックで自動的に断ります。Claude Codeのフックには、許可の確認が出たときに動くもの(PermissionRequest)があり、許可か拒否かを返せます。断られた担当は別のやり方を探すか、記録を残して終わるので、何時間も止まることはなくなりました。
ここで大事なのは、許可を広げて止まらなくするのではなく、断って先へ進ませる方を選んだことです。許可を広げすぎると、無人のときに取り返しのつかない操作まで通ってしまいます。
認証切れは、失敗を公開の成否に数えない設計で吸収した
認証切れの3枠の間も、記事の公開そのものは止まっていません。手順書で、サイトマップの再送信は「失敗しても再実行せず先へ進む。公開の成否には数えない」と決めていたからです。結果のメールには「要再認証」の行が出て、僕が10月4日の14時44分に手元でログインし直すと再送信は成功しました。同じ日の15時には、人のログインに頼らない鍵の方式に切り替えています。それ以降、ログイン切れでこの仕事が止まることはなくなりました。
教訓は2つです。1つ目は、外部サービスとの連携は「止まったら全体を止める部分」と「止まっても先へ進める部分」に分けておくこと。2つ目は、無人で動くものの認証を、人のログインに寄りかからせないことです。
利用枠は「どの担当に、どのモデルか」で決まる
利用枠の失敗は、担当の数ではなく、担当に割り当てたモデルの問題でした。高いモデルが必要なのは点検と調査の工程だけで、生成の工程は日常用のモデルで足ります。いまは執筆担当を日常作業のモデル、検品担当を最上位のモデルにしています。
失敗の記録を仕組みに変える考え方は、AI導入の失敗事例7つでも書いています。
AIエージェントを作る費用はいくらかかる?
Claude Codeの段階で作るなら、Claudeの有料プランの定額が中心で、2026年10月時点でProが月20ドル、Max 5xが月100ドル、Max 20xが月200ドルです。SDKで自社サービスに組み込むなら、APIの従量課金になります。ノーコードは、無料の範囲から試せるものが多い一方、GoogleとOpenAIは仕組みの切り替え時期なので、契約前に公式の最新情報を確かめてください。
| 作り方 | 主な費用 | 2026年10月時点の公式情報 |
|---|---|---|
| ClaudeのProjects | Claudeのプラン | 無料プランでも5つまで作れる |
| Claude Code | Claudeの有料プラン | Pro月20ドル(年払いなら月17ドル)、Max 5x月100ドル、Max 20x月200ドル。無料プランでは使えない |
| Claude Agent SDK | APIの従量課金 | 100万トークンあたり、Opus 5.5は入力4ドル・出力20ドル、Sonnet 5.5は入力2ドル・出力10ドル、Haiku 4.5は入力1ドル・出力5ドル |
| Dify | クラウド版のプラン、または自社サーバー | クラウド版に無料のSandboxプランがある。自社サーバーに置くオープンソース版もある |
| n8n | クラウド版のプラン、または自社運用 | クラウド版と自社運用の両方がある |
表の金額はドル建てで、税は含みません。Claude Codeでは、サブエージェントの処理もメインの会話と同じ使用量の上限に数えられます。担当を増やせば、そのぶん枠も減る点は覚えておいてください。
僕の会社は、記事の自動運用を含めた社内の実務をMax 20xの定額で回しています。それでも以前、週の半ばで週次の枠の6〜7割を使っていた時期があり、原因の大半は長い会話の読み直しでした。料金と上限の仕組み、枠を食う原因の実測はClaude Codeの料金と上限の実録に詳しく書いています。
費用を考えるうえで見落としやすいのは、お金より「人の確認の時間」です。無人で回すと、人がやるのは結果のメールを読むことと、止まったものを直すことだけになります。逆に、検品役や安全装置を入れずに作ると、AIが作ったものを人が全部見直すことになり、時間はかえって増えます。
自社でAIエージェントを始めるには?最初の1週間の手順
最初の1週間は、1つの仕事を選び、担当を2つだけ作り、人が見ている状態で回すところまでで十分です。いきなり無人にしないのがコツです。僕の会社も、最初の2本は公開前に代表の僕が読み、残りの8本は検品に合格したものを公開して僕が公開後に読む形に移し、10本で型と検品の基準が固まってから完全に無人の公開にしました。
- 仕事を1つ選ぶ:毎週同じ手順で発生し、間違えても取り返しがつく仕事にする(例:議事録の整形、週次レポートの下書き)
- 手順を書き出す:人がやっている手順を、そのまま文章で書く。これがスキルや手順書の元になる
- 作る担当と点検する担当を作る:Claude Codeならサブエージェントを2つ。点検役には「直さない、合否と指摘だけ返す」と書く
- 権限を決める:読む範囲、書く範囲、人が押す操作を決め、許可リストに書く
- 人が見ている状態で5回回す:止まった場所、確認が出た場所、点検で落ちた理由を記録して、手順書を直す
- 止まったときの扱いを書く:失敗したら戻す、記録する、知らせる、を手順の最後に足す
- 最後に定期タスクにする:5回続けて手直しなしで回ったら、時刻を決めて無人にする
担当を「人」として扱うと、設計が楽になります。新しく入った社員に渡す業務分担表のつもりで、任せる仕事と任せない仕事を書いてください。社内のルールや過去の判断をAIに毎回読ませる仕組みはClaude Codeで会社を「第二の脳」にするガイドに、Claude Code自体の始め方はClaude Codeの使い方にまとめています。自社の業務に合わせた担当の設計から相談したい場合は、ウラカタのサービス一覧もご覧ください。
まとめ
- AIエージェントとは、道具を使い、結果を見て次の手を自分で決めながら、仕事を最後まで進めるAIの仕組み。チャットAIとの違いは「答える」か「片付ける」か
- 作り方はノーコード、Claude Code、SDKの3段階。社内の実務を任せるならClaude Codeが現実的で、自社サービスに組み込むならSDK(API課金)
- 設計で決めるのは役割、道具、権限、検品役、止まったときの扱いの5つ。作った本人に点検させない
- このメディアは無人のエージェント群で1日3枠を回し、直近1週間の検品一発合格率は87.5%。止まった原因の多くは権限の確認待ちと認証切れだった
- 始めるなら、1つの仕事・2つの担当・人が見ている5回から。無人にするのは最後
よくある質問
AIエージェントはプログラミングなしで作れますか?
作れます。社内資料を読ませて答えさせる程度ならClaudeのProjectsのようなノーコード機能で足ります。作業そのものを任せたいなら、Claude Codeのサブエージェントやスキルが説明文を書いたMarkdownファイルだけで動きます。僕の会社にはエンジニアがいませんが、記事の公開までこの方法で回しています。
AIエージェントとチャットボットは何が違いますか?
違いは「道具を使って、自分で手順を回すか」です。チャットボットは質問に文章で答えて終わります。AIエージェントはファイルを読む、検索する、書き換える、コマンドを実行するといった道具を使い、結果を見て次の手を決めながら、仕事を最後まで進めます。
AIエージェントを無人で動かすと何が一番止まりやすいですか?
僕の会社の実測では、権限の確認待ちです。人が見ていないので確認画面に誰も答えず、そこで止まります。使ってよい道具を先に許可リストに書き、許可が無い操作は待たずに断る仕組みを入れると、止まる回数が大きく減りました。
AIエージェントの費用は月いくらかかりますか?
Claude Codeで作るならClaudeの有料プランが前提で、2026年10月時点でProが月20ドル、Maxが月100ドルか200ドルです。自社サービスに組み込むならAPIの従量課金になります。僕の会社は記事の自動運用を含めてMax 20xの定額で回しています。