補助金#デジタル化・AI導入補助金

デジタル化・AI導入補助金とは?枠・締切・対象経費【2026年】

大きな鍵でノートPCの鍵穴を開ける会社員と、画面の中のロボットやクラウドのアイコンのイラスト
イラスト:AIで作成

この記事の結論

デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)の通常枠は5万〜450万円・補助率1/2。次の締切は10月30日17時です。枠ごとの補助額、AIツールの対象条件、申請の流れ、不採択や返還の落とし穴を公募要領で確認して整理しました。

目次9項目
  1. デジタル化・AI導入補助金とは?IT導入補助金との違いと5つの枠
  2. 締切はいつ?2026年10月時点のスケジュールと採択の実数
  3. AIツールは対象になる?対象経費と対象外の経費
  4. 申請の流れは?IT導入支援事業者の役割
  5. 不採択・返還になりやすいパターンは?
  6. 補助金以外の選択肢は?AI研修の助成金・持続化補助金との比較
  7. ウラカタは補助金をどう調べているか?
  8. まとめ
  9. よくある質問

SNS運用・広告・採用マーケティングの無料相談はこちら →

デジタル化・AI導入補助金2026は、旧IT導入補助金の後継です。通常枠は補助額5万〜450万円、補助率は原則1/2。2026年10月1日時点で公表されている次の締切は10月30日17時です。対象はAIを含む登録済みのITツールで、IT導入支援事業者との共同申請が必須です。交付決定前の契約は1円も補助されません。

この記事の情報は、2026年10月1日に事務局の公式サイトと公募要領(通常枠・2026年8月28日更新版)で確認したものです。締切や要件は公募回ごとに変わることがあるため、申請前に必ず最新の公募要領を確認してください。2026年10月8日に、10月7日公表の4次締切分の交付決定数を追記しました。

デジタル化・AI導入補助金とは?IT導入補助金との違いと5つの枠

デジタル化・AI導入補助金とは、中小企業・小規模事業者が業務の生産性を上げるソフトウェアやクラウドを導入する費用の一部を、国が補助する制度です。2025年度まで「IT導入補助金」と呼ばれていた事業の2026年度版にあたり、公募要領ではITツールの定義に「AIを含む」と明記されています。仕組みの骨格は、登録事業者との共同申請で変わりません。

補助金の正式名称は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金」です。公式サイトの説明では、中小企業基盤整備機構(中小機構)に採択されたTOPPAN株式会社が、中小機構と中小企業庁の監督のもとで事務局を運営しています。

公募要領に書かれた目的は、働き方改革、被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入といった制度変更に対応するため、生産性向上に役立つITツールの導入を支援することです。

ITツールとは、この補助金では「IT導入支援事業者が提供し、事務局に登録された、労働生産性の向上に役立つソフトウェア・オプション・役務・ハードウェア」の総称です。公募要領はソフトウェアに「AIを含む」と書いています。AIだから特別な枠があるのではなく、AI機能を持つ登録ツールが通常の枠で対象になる、という理解が正確です。

検索の動きを見ると、関心は急に高まっています。僕の会社で2026年10月1日にラッコキーワードで計測したところ、「デジタル化・AI導入補助金」は月6,600回、「IT導入補助金 2026」は月8,100回でした。旧名称で探す人もまだ多い状況です。2026年9月15日の計測では、「AI導入 補助金」が月4,400回で前年同月比+1,962%、「IT導入補助金2026」が前年比+5,900%と、いずれも1年で桁が変わる伸び方をしていました。

名前が変わっただけで別の制度だと思い込み、旧名称の古い記事を読んで要件を誤解するケースが起きやすい時期です。この記事では、2026年度の公募要領に書かれている内容だけを根拠に整理します。

2026年度の5つの枠と補助額・補助率

枠は5つあります。AIや業務ソフトを入れる一般的なケースは「通常枠」で、補助額5万〜450万円、補助率1/2以内です。会計・受発注・決済のソフトなら「インボイス枠(インボイス対応類型)」で補助率3/4以内(小規模事業者は4/5以内)が使えます。セキュリティサービスは別枠、地域や取引先と組む場合は複数者連携の枠です。

公式サイトの各枠のページで確認した内容を、1つの表にまとめます。

枠補助額補助率主な対象
通常枠1プロセス以上: 5万円以上150万円未満/4プロセス以上: 150万円以上450万円以下1/2以内(条件を満たすと2/3以内)業務プロセスを持つソフトウェア、クラウド利用料(最大2年分)、オプション、導入設定などの役務
インボイス枠(インボイス対応類型)ソフトウェア: 50万円以下/50万円超〜350万円以下50万円以下は3/4以内(小規模事業者4/5以内)、50万円超の部分は2/3以内会計・受発注・決済の機能を持つソフト。PC・タブレットは10万円以下、レジ・券売機は20万円以下(補助率1/2以内)
インボイス枠(電子取引類型)下限なし〜350万円以下中小企業・小規模事業者2/3以内、その他の事業者1/2以内発注側が導入し、受注側の中小企業に無償でアカウントを発行できる受発注ソフト
セキュリティ対策推進枠5万円〜150万円中小企業1/2以内、小規模事業者2/3以内IPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」掲載サービスの利用料(最大2年分)
複数者連携デジタル化・AI導入枠グループ全体で最大3,000万円(その他経費は別に最大200万円)経費の種類により1/2〜4/5以内商店街や取引先などの複数事業者が連携して導入するITツール、消費動向等の分析システム

通常枠の補助率2/3以内は、令和6年10月から令和7年9月の間に、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇っていた従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある場合に限られます。多くの会社は1/2で資金計画を組むことになります。

業務プロセスとは、ソフトウェアの機能で効率化される業務の区分のことで、公募要領では顧客対応・販売支援、決済・債権債務、供給・在庫・物流、会計・財務・経営、総務・人事・給与などに分かれています。通常枠では、このプロセスをいくつ含むかで申請できる補助額の上限が変わります。

「中小企業」の範囲は業種ごとに違います。たとえばサービス業(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く)は資本金5,000万円以下または常時使用する従業員100人以下、小売業は資本金5,000万円以下または従業員50人以下です。どちらか一方を満たせば対象です。

締切はいつ?2026年10月時点のスケジュールと採択の実数

2026年10月1日時点で公表されている次の締切は、通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠の6次締切と、複数者連携枠の3次締切で、いずれも2026年10月30日(金)17時です。交付決定は12月10日(予定)、事業実施と実績報告の期限は2027年5月31日17時(予定)です。7次締切以降の日程はまだ公表されていません。

公式の事業スケジュールページで確認した内容です。

項目6次締切分(通常枠ほか)
交付申請の受付開始2026年3月30日(月)
締切2026年10月30日(金)17:00
交付決定日2026年12月10日(木)予定
事業実施期間交付決定〜2027年5月31日(月)17:00 予定
事業実績報告の期限2027年5月31日(月)17:00 予定

事務局は「確定している募集回のスケジュールのみ公表」としています。締切は17時ちょうどで、公式サイトには、締切直前はアクセスが集中し、時間を過ぎるといかなる理由でも受け付けないと書かれています。

ここで時間の逆算をしておきます。申請には「GビズIDプライム」というアカウントが必須で、公式サイトでは発行までおおむね2週間かかるとされています。SECURITY ACTIONの宣言IDはおおむね2〜3日です。10月1日からGビズIDを申し込むと、発行は10月中旬の見込みです。そこからツール選定と事業計画の作成で、残りは2週間ほどしかありません。今からの申請は、GビズIDを持っているかどうかで現実味が大きく変わります。

では、どれくらい通っているのか。公式サイトは締切回ごとの申請数と交付決定数を公表しています(2026年10月7日更新)。割合は僕が計算したものです。

締切回枠申請数交付決定数交付決定数÷申請数
1次(6月18日決定)通常枠2,028891約43.9%
2次(7月23日決定)通常枠1,879819約43.6%
3次(9月2日決定)通常枠1,913807約42.2%
4次(10月7日決定)通常枠1,836816約44.4%
1次インボイス枠(インボイス対応類型)4,3242,027約46.9%
2次インボイス枠(インボイス対応類型)3,7902,096約55.3%
3次インボイス枠(インボイス対応類型)3,9821,781約44.7%
4次インボイス枠(インボイス対応類型)3,5361,610約45.5%
1〜4次合計セキュリティ対策推進枠156113約72.4%

2026年10月7日に4次締切分の交付決定が公表され、通常枠は1,836件の申請に対して816件でした。複数者連携デジタル化・AI導入枠の2次締切分も同じ日に公表され、申請4件すべてが交付決定となっています。

通常枠は、4回とも申請の半分以上が交付決定に至っていません。「出せば通る補助金」ではないということです。審査の内容と不採択の理由は、事務局から通知される事項以外は開示されません。

なお事務局は2026年9月24日、スマートレジの導入やPOSレジの改修を対象に、9月15日以降の導入分を後から申請できる「事前着手制度」を設けると発表しました。申請受付は2027年1月頃の予定で、詳細は今後公開される公募要領で示されます。通常のITツールは引き続き、交付決定後の契約が原則です。

AIツールは対象になる?対象経費と対象外の経費

AI機能を持つツールも、事務局に登録されたITツールであれば対象になります。自社で直接契約した生成AIサービスは、登録ツールではないので対象外です。通常枠では、業務プロセスを1つ以上持つソフトウェアが必須で、AIの分析・自動化ツールのような汎用ツールは、それ単体では申請できません。業務ソフトと組み合わせる形になります。

公募要領のプロセス区分は次の通りです。

種別コード内容単体での申請
共通プロセス共P-01〜05顧客対応・販売支援/決済・債権債務・資金回収/供給・在庫・物流/会計・財務・経営/総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス・統合業務できる
業種特化型プロセス各業種P-06業種固有の業務できる
汎用プロセス汎P-07汎用・自動化・分析ツールできない(P-01〜06と組み合わせれば1プロセスとして数える)

汎用プロセスとは、業種や業務を問わず使えて、業務プロセスと一緒に導入すると生産性をさらに上げるソフトウェアのことです。たとえば汎用的なAIの分析ツールを入れたい場合でも、顧客管理や会計など業務プロセスを持つツールと組み合わせて申請する必要があります。

公募要領では、ITツールの機能概要がAIの搭載有無も含めて「ITツール検索」で確認できると案内されています。使いたいAIツールがあるなら、最初にここで登録の有無を調べるのが近道です。

補助対象になる経費と、その上限です。

区分内容上限・条件
ソフトウェア購入費、クラウド利用料サブスクリプション形式は最大2年分
オプション機能拡張、データ連携ツール、セキュリティデータ連携ツールは最大1年分
役務導入・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポート役務の合計は200万円が上限。保守は最大2年分

一方、公募要領が明記している対象外の経費は次の通りです。

  • 顧客が実質負担する費用が含まれるもの(売上原価に当たると事務局が判断するもの)
  • 交通費、宿泊費
  • 補助金の申請・報告の代行費
  • 消費税などの公租公課
  • 申請時点で利用金額が決まっていないもの
  • 対外的に無償で提供されているもの
  • リース・レンタル契約のツール(サイバーセキュリティお助け隊サービスを除く)
  • 中古品
  • 交付決定前に購入したツール
  • このほか、事務局が事業の趣旨・目的から不適当と判断するもの

見落としやすいのが1つ目です。たとえば制作会社がクライアント案件のために使い、その費用を顧客に請求するツールは、自社の生産性向上ではなく売上原価と見なされる可能性があります。僕の会社で検討したときも、ここは「自社の社内業務の効率化」として設計し直す必要がある点だと整理しました。

AIを業務に組み込んだときの時間の変化は中小企業のAI業務自動化Before/After 7選に、AIに任せる担当の作り方はAIエージェントの作り方の実録にまとめています。

申請の流れは?IT導入支援事業者の役割

申請は、自社だけでは出せません。事務局に登録された「IT導入支援事業者」と共同で事業計画を作り、支援事業者がツール情報と計画値を入力し、自社が申請マイページで内容を確認して宣誓・提出します。流れは、制度の理解、GビズIDとSECURITY ACTIONの準備、支援事業者とツールの選定、共同での申請、交付決定、導入と支払い、実績報告、効果報告の順です。

IT導入支援事業者とは、中小企業にITツールを導入し、補助事業が円滑に進むよう支援する事業者で、事務局の審査を経て登録された者のことです。公募要領では、支援事業者と申請者が「共同事業体」となって事務局に申請する仕組みとされています。

公式サイトの手続きフローと公募要領をもとに、自社がやることと支援事業者がやることを分けて並べます。

段階自社がやることIT導入支援事業者がやること
1. 準備公募要領を読む。GビズIDプライム取得(約2週間)、SECURITY ACTION宣言(約2〜3日)—
2. 選定課題を整理し、ITツール検索で候補を探すツールの提案と見積もり
3. 申請招待された申請マイページで基本情報と書類を入力し、最終確認して宣誓・提出ツール情報と事業計画値を入力
4. 交付決定通知を待つ。決定前は契約・発注しない—
5. 導入・支払い交付決定後に契約・発注・導入・支払い導入と設定の支援
6. 実績報告契約書・請求書・支払いの証憑などを提出報告の支援
7. 効果報告2027年3月以降、毎年の生産性の実績を報告報告の支援

申請に必要な書類は、通常枠の公募要領で確認できます。法人なら履歴事項全部証明書、税務署発行の納税証明書、直近の決算書などです。申請マイページのログイン情報は、IT導入支援事業者を含む第三者に渡してはいけないと要件に書かれています。

支援事業者を選ぶときに確かめておきたいのは、次の3点です。使いたいツールがその事業者の登録ツールにあるか。導入後の効果報告まで付き合ってくれるか。費用の大半が役務(コンサルや設定費)になっていないか。公募要領には、導入するツールに比べて役務費用の割合が著しく高額でないこと、という要件があります。

もう1つ、IT導入支援事業者に登録している、または登録しようとしている事業者は、同じ年度に補助を受ける側になれません。僕の会社も補助金を調べる中でこのルールに当たりました。将来ツールを売る側に回る構想があるなら、どちらの立場を取るかを先に決めておく必要があります。

不採択・返還になりやすいパターンは?

いちばん多い落とし穴は、交付決定前の契約・発注です。1円も補助されません。ほかに、150万円以上の申請で賃上げ計画が未達になる、過去の交付決定とプロセスが完全に一致して不採択になる、支払い方法の不備で証憑が認められない、効果報告の途中で辞退して返還を求められる、などが公募要領に書かれています。

公募要領に書かれている主な注意点を、申請前・審査・導入後の3段階に分けて整理します。

段階公募要領に書かれていること起きること
申請前通常枠の申請は1事業者1回まで。同時に複数は出せない内容に相違があっても、結果の公表まで取り下げられない
審査IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は減点2024・2025年の交付決定とプロセスが完全に一致すると不採択
審査他の中小企業庁系補助金で賃上げ加点を受けて未達だった事業者は減点ものづくり補助金・持続化補助金なども含む
導入交付決定前の契約・発注・納品・支払いは対象外補助金を受けられない
導入支払いは銀行振込かクレジットカードの1回払い。支払元は補助事業者の口座現金・分割・リボは認められない
導入後効果報告は事業計画期間前から3年度目まで(最終は2030年4月〜2031年1月)賃上げ必須の申請で報告がないと返還
不正ポイントやキャッシュバックで実質の支払額を減らす、紹介料名目で資金を還流させる交付決定の取消し・返還などの措置

150万円を超えると賃上げが「必須」になる

補助額150万円以上を申請すると、賃上げが必須要件になります。事業計画期間に1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3%以上にし、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする計画を立てて、従業員に表明することが求められます。IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、給与の成長率が3.5%以上になります。

未達のときの返還は、公募要領に具体例があります。450万円の交付を受けて、事業場内最低賃金の目標が1年度目で未達なら全額、2年度目なら2/3、3年度目なら1/3の返還です。給与支給総額の目標が未達の場合も、全額の返還を求める場合があるとされています。

公募要領では、150万円以上の要件を満たせる場合でも、申請額を自主的に150万円未満に抑えることができると明記されています。賃上げの見通しが立たないなら、プロセス数を足して大きく申請するより、150万円未満に収める判断も十分にありえます。

賃上げの「加点」は未達だと18カ月の減点

150万円未満の申請では、賃上げ計画は原則として加点項目です。ただし加点を受けて採択され、その目標を達成できなかった場合、未達が報告されてから18カ月の間、中小企業庁が所管する補助金の審査で大幅に減点されると公募要領に書かれています。対象には、ものづくり補助金、持続化補助金、事業承継・M&A補助金などが含まれます。

加点を取りにいくなら、本当に達成できる計画かどうかを先に確かめてください。僕の会社で検討したときも、加点のために達成の見えない賃上げ計画を出すのはやめよう、と判断しました。

賃上げ以外で積める加点

公式サイトと公募要領で確認できた、賃上げ以外の加点には次のものがあります。

  • クラウド製品を選ぶ(通常枠)
  • インボイス対応製品を選ぶ(通常枠)
  • 中小機構の「IT戦略ナビwith」を申請前に実施、または「IT経営サポートセンター」を利用
  • 中小機構の「省力化ナビ」で、締切日までに「解決策」のPDFをダウンロード
  • 「デジタル化セカンドオピニオン」で、申請前に確認者との面談を完了
  • 健康経営優良法人2026、くるみん・えるぼしなどの認定

IT経営サポートセンターは、2026年8月1日以降に利用を申し込み、締切日の前月末日までに利用が確認できた場合に加点とされています。10月30日の6次締切なら、9月30日が期限だった計算です。加点の準備には締切の1か月以上前から動く必要があるものがある、と覚えておくと次の回で慌てません。

補助金以外の選択肢は?AI研修の助成金・持続化補助金との比較

AIツールを入れる費用ならデジタル化・AI導入補助金ですが、社員がAIを使えるようになるための研修費は、厚生労働省の人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)が候補になります。ホームページの改修や販路開拓と一緒に業務効率化をするなら、小規模事業者持続化補助金も比較対象です。目的と経費の種類で使い分けます。

人材開発支援助成金とは、事業主が雇用する労働者に職務に関連した訓練を受けさせたとき、訓練の経費や訓練中の賃金の一部を助成する厚生労働省の制度です。事業展開等リスキリング支援コースは、新規事業に必要な訓練のほか、社内の業務効率化のためにデジタル技術を活用できる人材を育てる訓練も対象にしています。

公式資料で確認できた範囲で比較します。

制度使い道補助・助成の水準時期・手続き注意点
デジタル化・AI導入補助金(通常枠)登録済みITツールの導入費、クラウド利用料、導入設定や研修などの役務5万〜450万円・補助率1/2以内6次締切は2026年10月30日17時IT導入支援事業者との共同申請。交付決定前の契約は対象外
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)DX化などに必要な知識・技能の訓練中小企業は経費の75%、賃金は1人1時間1,000円。経費の限度額は訓練時間などで決まる(10〜100時間未満は1人30万円など)訓練開始日の6か月前から1か月前までに計画届を提出雇用保険の適用事業所が対象。eラーニングなどは1計画あたり中小企業15万円が限度
小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠 第20回)販路開拓の取り組みと、あわせて行う業務効率化上限50万円(特例で最大200万円上乗せ)・補助率2/3申請受付は2026年11月5日〜12月15日17時商工会・商工会議所の支援が必要。ウェブサイト関連費は申請額の上限30万円で、単独では申請できない

組み合わせるときは、同じ経費を2つの制度に載せないことが大前提です。デジタル化・AI導入補助金の公募要領も、国や中小機構の他の補助金と重複する事業は対象に含めないことを要件にしています。ツールの導入費はこの補助金、研修の受講費は助成金、というように経費の割り当てを申請前に決めておきます。

どの制度にも共通しているのは「先に契約・着手すると対象外」という点です。人材開発支援助成金も、訓練開始の1か月前までに計画届を出す必要があります。思い立ってすぐ研修を申し込むと、それだけで助成の対象から外れます。

研修側の制度はAI研修に使える人材開発支援助成金の解説、販路開拓側は小規模事業者持続化補助金2026の解説で、それぞれ要件と申請の流れを別記事にしています。開業から1年以内なら、持続化補助金の創業型も候補になります。

ウラカタは補助金をどう調べているか?

僕の会社では、補助金の調査そのものをAIに分担させています。2026年7月18日には、国・都・区の制度を110件走査し、うち23件を公募要領などの一次情報で個別に裏取りしました。8月10日には別の地域を対象に、AIのサブエージェント12体で59制度を並列に調べています。公開ページの表現と要綱の条文が違う例も実際に見つかりました。

調査の進め方は次の3段階です。

  1. 走査: 国・都道府県・市区町村の制度を一覧にし、所在地や業種の要件で機械的にふるい分ける
  2. 裏取り: 金額の大きい上位の制度だけ、公募要領や交付要綱のPDFを読み、要件を1行ずつ照合する
  3. 監査: 調査した担当とは別の担当に、判定の根拠を読み直させる

3つ目の監査で、判定が覆ったことがあります。ある県の補助金は、公開ページでは「県内の事務所等」と緩く読める書き方でした。最初の判定は「条件次第で使える」でしたが、監査担当が交付要綱を読み直すと「県内に登記簿上の本店又は主たる事業所」が要件でした。判定は「使えない」に訂正しています。制度の紹介ページだけで判断すると、こうした違いを見落とします。

デジタル化・AI導入補助金については、僕の会社でも補助を受ける側として申請を検討しています。2026年10月1日時点で申請するかどうかは決めていませんが、7月に作った実行カードの見積もりでは、期待値は補助額60万円、工数は実質2〜3人日と見ています。事業計画や申請入力の大半をIT導入支援事業者と共同で作るため、補助金の中では手間が軽い部類です。検討の段階で置いている方針は次の通りです。

論点検討中の方針理由
申請額150万円未満に抑える150万円以上は賃上げが必須になり、未達だと返還になる
賃上げ加点無理に取らない未達だと18カ月、中小企業庁系の補助金で大幅減点
対象業務自社の社内業務に絞る顧客に請求するツール費用は売上原価として対象外になりうる
立場補助を受ける側にとどまるIT導入支援事業者として登録すると補助事業者になれない

補助金の調査や申請に使う資料づくりにAIを使う方法は、Claude Codeで会社を「第二の脳」にするガイドでも触れています。AI導入で起きやすいつまずきはAI導入の失敗事例7つにまとめました。補助金を使うかどうかも含めて、AIやWebの導入を相談したい場合はウラカタのサービス一覧をご覧ください。

この記事は採択を保証するものではありません。要件の最終判断は、最新の公募要領と、申請を一緒に進めるIT導入支援事業者に確認してください。

まとめ

  • デジタル化・AI導入補助金2026は旧IT導入補助金の2026年度版。通常枠は5万〜450万円・補助率1/2以内で、ITツールの定義に「AIを含む」と明記されている
  • 2026年10月1日時点の次の締切は10月30日17時(通常枠ほか6次)。交付決定は12月10日予定。GビズIDの発行に約2週間かかる
  • 通常枠の交付決定数÷申請数は、1〜4次でいずれも42〜44%台。出せば通る補助金ではない
  • AIツールは登録済みITツールなら対象。自社で直接契約したサービスや、汎用ツール単体の申請は対象外
  • 交付決定前の契約は対象外、150万円以上は賃上げ必須、賃上げ加点の未達は18カ月の減点。研修費は人材開発支援助成金、販路開拓は持続化補助金と使い分ける

よくある質問

ChatGPTなどの生成AIを自社で契約した費用は補助対象になりますか?

そのままでは対象になりません。補助対象は、IT導入支援事業者が事務局に登録したITツールに限られます。自社で直接契約したサービスは登録ツールではないため対象外です。AI機能を持つツールを使いたい場合は、公式のITツール検索で登録の有無を確認し、その登録事業者と一緒に申請します。

デジタル化・AI導入補助金は個人事業主でも申請できますか?

申請できます。公募要領では、日本国内に補助事業の実施場所を持つ個人も対象とされています。業種ごとに資本金か従業員数の上限があり、どちらかを満たせば対象です。ただしGビズIDプライムの取得とSECURITY ACTIONの宣言は法人と同じく必須です。

デジタル化・AI導入補助金はいつ入金されますか?

ITツールの導入と支払いをすべて終え、実績報告を出して確認を受けた後です。先にツール代金の全額を自社で支払う後払いの仕組みなので、資金繰りは全額自己負担の前提で組みます。6次締切分の事業実施期間と実績報告の期限は、2027年5月31日17時(予定)です。

不採択になったら次の締切回に申請し直せますか?

できます。通常枠の申請は1事業者1回が原則ですが、公募要領では各締切回の結果で不採択となった場合、次回以降の締切までに申請できると定められています。なお不採択理由は、事務局から通知される事項以外は開示されません。

150万円以上を申請すると何が変わりますか?

賃上げが必須要件になります。1人当たり給与支給総額の年平均3%以上の増加と、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にする計画を立て、従業員に表明する必要があります。達成できないと補助金の返還を求められます。150万円未満なら原則として加点扱いです。

Let's Create
The Next Move.

マーケティング・SNS運用・採用のご相談はこちらから。