補助金#小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金【2026年】第20回の締切とホームページ活用

押印した申請書からホームページ、店舗チラシへ矢印で進む流れと、書類を持って笑顔の店主のイラスト
イラスト:AIで作成

この記事の結論

小規模事業者持続化補助金の第20回は上限50万円・補助率2/3、受付は11月5日〜12月15日17時です。ホームページ費は30万円が上限で単独申請不可。制作会社に頼むときの見積もり・契約・支払いの注意点まで整理しました。

目次9項目
  1. 小規模事業者持続化補助金とは?第20回の補助上限・補助率・対象者
  2. 第20回のスケジュールは?申請受付と様式4の締切から逆算する
  3. ホームページ制作に使える?ウェブサイト関連費の30万円上限と単独申請不可
  4. 申請方法は?商工会・商工会議所と様式4を含む流れ
  5. 制作会社に頼むときの見積もり・契約・支払いの注意点は?
  6. デジタル化・AI導入補助金とどう使い分ける?
  7. ウラカタが申請するなら、どう組むか?
  8. まとめ
  9. よくある質問

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小規模事業者持続化補助金の第20回は、補助上限50万円(特例で最大250万円)、補助率2/3です。申請受付は2026年11月5日〜12月15日17時ですが、商工会・商工会議所の様式4は12月4日までに発行を受けます。ホームページ制作費は「ウェブサイト関連費」として30万円まで申請できますが、単独では申請できません。

この記事の情報は、2026年10月1日に、商工会議所地区・商工会地区それぞれの補助金事務局の公式サイト、第20回公募要領(第8版・2026年7月21日)、中小企業庁の採択結果ページで確認したものです。要件や日程は改定されることがあるため、申請前に必ず最新の公募要領を確認してください。

小規模事業者持続化補助金とは?第20回の補助上限・補助率・対象者

小規模事業者持続化補助金とは、従業員の少ない事業者が自分で経営計画を作り、それに沿って行う販路開拓や、あわせて行う業務効率化の費用の一部を国が補助する制度です。第20回(一般型・通常枠)の補助上限は50万円、補助率は2/3です。インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円、両方で200万円が上乗せされます。

正式には「小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>」と呼ばれ、第17回以降はこの名称で公募されています。事務局は2つに分かれていて、商工会議所の管轄地域は株式会社日本経営データ・センター、商工会の管轄地域は株式会社ニューズベースが運営しています。どちらの地区でも公募要領は同じです。

検索の動きを見ると、関心の高さがわかります。僕の会社が2026年10月1日にラッコキーワードで計測したところ、「小規模事業者持続化補助金」は月60,500回検索されていました。2026年9月15日に2024年9月〜2026年8月の24か月分を計測した別の調査では、「小規模事業者持続化補助金 ホームページ」が月880回で、前年同月比+85%でした。この語は2026年3月に月1,900回まで跳ねていて、公募の時期に合わせて検索が増える傾向があります。

補助上限と特例の早見表

補助上限は、どの特例を使うかで4段階に分かれます。

区分補助上限補助率主な要件
通常枠のみ50万円2/3経営計画に基づく販路開拓等の取組
インボイス特例100万円(50万円上乗せ)2/32021年9月30日〜2023年9月30日の属する課税期間に一度でも免税事業者だった、または2023年10月1日以降の創業で、補助事業終了時点で適格請求書発行事業者
賃金引上げ特例200万円(150万円上乗せ)2/3(赤字事業者は3/4)2027年4月1日〜2028年3月31日の12か月と前年同月の12か月を比べ、従業員1人あたり給与支給総額を年平均3.0%以上増やす
両特例250万円(200万円上乗せ)2/3(赤字事業者は3/4)上記2つの要件をどちらも満たす

特例には大きな注意点があります。インボイス特例も賃金引上げ特例も、要件を1つでも満たせなかった場合、上乗せ分だけでなく補助金全体が交付されません。公募要領にそう明記されています。賃金引上げ特例は、比較する期間に対象となる従業員がいない場合は計算ができず、対象外になります。従業員が退職して計算できなくなった場合も交付されません。

対象になる「小規模事業者」の範囲

小規模事業者とは、この補助金では業種ごとに決められた「常時使用する従業員の数」以下の事業者のことです。商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下です。

従業員の数え方には決まりがあります。会社役員と同居の親族従業員は含めません。日雇い労働者、2か月以内の期間を定めて使用される人、試用期間中の人も含めません。法人は国内に本店があること、個人は国内に住んでいることが条件です。

過去に持続化補助金で採択されて補助事業を実施した事業者は、事業効果報告(様式第14)を出していないと申請できません。また「創業型」と同時に申請することはできません。開業1年以内の方が対象の創業型の要件と第4回の日程は、持続化補助金 創業型の解説にまとめています。

第20回のスケジュールは?申請受付と様式4の締切から逆算する

第20回の申請受付は2026年11月5日(木)から12月15日(火)17時までです。ただし、その前に商工会・商工会議所から「事業支援計画書(様式4)」の発行を受ける必要があり、この発行受付は12月4日(金)で締め切られます。採択発表は2027年3月頃の予定で、交付決定はそこから概ね1〜2か月後です。

公募要領と両地区の事務局サイトで確認した日程を、1つの表にまとめます。

項目日付
公募要領公開2026年5月27日(水)、第8版は2026年7月21日
申請受付開始2026年11月5日(木)
事業支援計画書(様式4)発行の受付締切2026年12月4日(金)
申請受付締切2026年12月15日(火)17:00
採択発表2027年3月頃(予定)
交付決定採択発表から概ね1〜2か月(目安)
見積書等の提出期限2028年2月29日(火)
補助事業実施期限2028年3月31日(金)
実績報告書の提出期限2028年4月10日(月)
事業効果報告補助事業終了から1年後の状況を報告

事業支援計画書(様式4)とは、申請者の経営計画を地域の商工会・商工会議所が確認し、支援内容を記して発行する書類のことです。これがないと申請を完了できません。公募要領は、発行受付の締切後は「いかなる理由があっても」発行できないとしています。

実務で効いてくるのは、この12月4日です。12月15日を締切と思って動くと、様式4の面談に間に合いません。しかも様式4を頼む時点で、電子申請システムに経営計画と補助事業計画を入力し終えている必要があります。逆算すると、計画書の下書きは11月中旬までに仕上げておくのが安全です。

もう1つの準備がGビズIDプライムです。GビズIDプライムとは、国の補助金などの電子申請で使う、法人代表者または個人事業主向けの共通アカウントのことです。公募要領ではプライムかメンバーのアカウントが必要で、取得に数週間程度かかるとされ、暫定アカウントは使えません。まだ持っていないなら、10月中に申し込んでおくのが現実的です。

ホームページを補助金で作りたい場合は、時間の感覚も持っておく必要があります。採択発表が2027年3月頃、交付決定がその1〜2か月後なので、制作の発注ができるのは早くても2027年春です。「来月の繁忙期までにサイトがほしい」という目的なら、補助金を待たずに自己資金で作るほうが合っています。

どれくらいの割合で採択されているか

中小企業庁の公表では、第19回は申請16,576件に対して採択7,819件でした。第18回は申請17,318件に対し、いったん8,330件を採択と公表した後、要件を満たしていない101件が含まれていたとして8,229件に修正されています。割合は僕が計算したもので、第19回が約47.2%、第18回が修正後で約47.5%です。

半分以上は採択されていない、ということです。「出せば通る補助金」ではありません。公募要領も、審査は提出資料だけで行い、提案内容のヒアリングはしないとしています。書類に書いていないことは評価されません。

ホームページ制作に使える?ウェブサイト関連費の30万円上限と単独申請不可

持続化補助金はホームページの制作・改修に使えます。ウェブサイトやECサイト、システムの開発・構築・更新・改修・運用の費用は「ウェブサイト関連費」として計上します。ただし、補助金交付申請額の上限は30万円(税込)で、ウェブサイト関連費だけでの申請はできません。ほかの経費と必ず組み合わせます。

ウェブサイト関連費とは、販路開拓などのためにウェブサイトやECサイト、システムを開発・構築・更新・改修・運用するための経費です。ウェブサイトやシステム開発に関連するソフトウェア、外注費も、ほかの費目ではなくここに入れるよう公募要領で指定されています。

補助対象経費は全部で8種類あります。

経費区分内容主なルール
①機械装置等費補助事業に必要な機械装置等の購入パソコン・タブレット・事務用プリンター・Webカメラなど汎用性の高いものは対象外
②広報費チラシ・パンフレット・看板・インターネット広告・SNS広告など補助金交付申請額の上限30万円(税込)。広報費のみの申請は不可
③ウェブサイト関連費ウェブサイト・ECサイト・システムの開発、構築、更新、改修、運用補助金交付申請額の上限30万円(税込)。ウェブサイト関連費のみの申請は不可
④展示会等出展費展示会・商談会への出展料、関連する運搬費・通訳料・翻訳料出展申込みだけは交付決定前でも可(請求書の発行は交付決定日以後)
⑤旅費販路開拓のための移動・宿泊補助事業計画に基づく販路開拓等のためのもの
⑥新商品開発費新商品の試作・開発開発した商品をそのまま販売する場合などは対象外
⑦借料機器・設備のリース料・レンタル料、PRイベントの会場費補助事業期間を超える契約は期間分を按分
⑧委託・外注費①〜⑦に当たらない業務の第三者への委託自ら実行するのが難しい業務に限る。ウェブ関連の外注は③で計上

ウェブサイト関連費で対象になるもの・ならないもの

公募要領に例として挙がっているものを、そのまま整理します。

対象になる例対象にならない例
商品販売のためのウェブサイト作成や更新ウェブサイトやシステムに関するコンサルティング、アドバイス費用
効果や作業内容が明確なウェブサイトのSEO対策補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページ
商品販売のためのウェブサイトに載せる宣材写真の制作費用ウェブサイトに使う画像の被写体や商品の購入費用
ウェブサイトに載せる、商品・サービスを販売するための画像や動画の作成費用販売を目的としたシステムやソフトウェアの開発
顧客管理システムの構築、アプリケーション開発家庭用・一般事務用ソフトウェア、既に導入しているソフトの更新料
販路開拓のための特定業務用ソフトウェア有料配信する動画、有料講座で使う動画や電子教材の制作費

制作会社の立場で特に気をつけているのは、「補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ」が対象外になる点です。公募要領には、受注システムを作っても期間内に公開して販路開拓に使っていなければ対象外、という例まで書かれています。納品して支払っただけでは足りず、期限までに公開して使っている必要があります。

もう1つは、自社ホームページやECサイトで使う動画や写真の制作費です。これは広報費ではなく、ウェブサイト関連費で計上するよう指定されています。費目を間違えると、30万円の枠の計算が変わります。

30万円の上限はどう計算するか

上限は「経費」ではなく「補助金交付申請額」に対して30万円です。補助率は2/3なので、たとえばウェブサイト関連費が60万円なら、2/3の40万円ではなく30万円が申請できる額の上限になります。経費45万円で2/3がちょうど30万円になる計算です(いずれも僕の計算です)。

消費税の扱いにも注意が必要です。公募要領では消費税は原則として補助対象外で、例外は、消費税を含めて申請し、その内容で交付決定を受けた免税事業者・簡易課税事業者・2割特例の申請者です。自社がどれに当たるかで計算が変わるので、税理士に一度確認してから見積もりを組んでください。

ウェブサイトやシステムを50万円(税抜)以上で作成・更新した場合、それは「処分制限財産」になることがあります。処分制限財産とは、補助金で取得した一定額以上の財産で、決められた期間は事務局の承認なく目的外の使用や譲渡、廃棄ができないもののことです。ウェブサイトの場合、期間は通常は取得日から5年間とされています。なお、補助事業の目的のための改良や機能強化は、承認が必要な「処分」には当たりません。

ホームページ単独ではなく「販路開拓の計画」で組む

ウェブサイト関連費が単独で申請できない以上、ホームページは販路開拓の計画の一部として位置づけることになります。たとえば、新しい商品を知ってもらうチラシ(広報費)と、その商品の販売ページ(ウェブサイト関連費)を組み合わせる形です。

広報費にも注意点があります。補助の対象は補助事業計画に基づく商品・サービスの広報で、単なる会社のPRや営業活動の広報費は対象外です。会社案内パンフレット、求人広告、名刺も対象外の例に挙がっています。一方で、SNS広告の運用代行費やインターネット広告は対象の例に入っています。

申請方法は?商工会・商工会議所と様式4を含む流れ

申請は電子申請システムだけで受け付けられ、郵送はできません。流れは、GビズIDプライムの取得、経営計画と補助事業計画の作成・入力、地域の商工会・商工会議所での様式4の発行、申請、採択、見積書等の提出、交付決定、事業実施、実績報告、補助金の請求、事業効果報告の順です。

公募要領と両地区の事務局サイトで確認した手順を、段階ごとに並べます。

段階やること注意点
1. 準備GビズIDプライム(またはメンバー)を取得し、公募要領を読む取得に数週間程度。暫定アカウントは不可
2. 計画電子申請システムに経営計画(様式2)と補助事業計画(様式3)を入力事業者自身が検討していることが前提
3. 様式4地域の商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼発行受付は12月4日まで。社外の代理人だけでの依頼は不可
4. 申請必要書類を添付して電子申請締切は12月15日17時。同一回への応募は1件のみ
5. 採択採択通知を受け取る2027年3月頃予定
6. 見積書等計上した全経費の見積書等(相見積を含む)を提出提出期限2028年2月29日。未提出は採択取消し
7. 交付決定交付決定通知書を受け取る記載の交付決定日から事業を開始できる
8. 実施契約・発注・納品・支払い・公開2028年3月31日までに支払いまで完了
9. 報告実績報告書と経理書類を提出し、補助金額の確定後に請求期限は2028年4月10日。終了から30日以内のほうが早ければそちら

様式4の受け取り方は、地区によって違います。商工会地区では電子申請システムの中で地域の商工会に依頼し、窓口で面談を受けて発行されます。発行されるとシステムに反映されます。商工会議所地区では地域の商工会議所に依頼して発行を受け、そのPDFを電子申請システムにアップロードします。自分の事業所がどちらの地区かは、商工会・商工会議所の検索サイトで調べられます。

申請に必要な書類

法人の場合、システムに直接入力する様式1・2・3・5・6に加えて、様式4、直近1期分の貸借対照表と損益計算書が必要です。個人事業主は直近の確定申告書などを出します。インボイス特例を希望するなら、適格請求書発行事業者の登録通知書の写しなども必要です。

審査で見られること

審査は、基礎審査、計画審査、加点審査の3段階です。計画審査では、自社の経営状況の分析が妥当か、強みや弱みと市場・顧客のニーズを踏まえた方針か、補助事業計画が客観的な事実に基づいて売上高・売上総利益の増加を目指しているか、積算が正確かが見られます。デジタル技術を有効に活用する取組があるかも観点の1つです。

申請時には、補助事業の定量的な成果として、売上高・売上総利益の増加を様式2に書く必要があります。対象となる事業は、事業効果報告の時点で、補助事業終了時より売上高・売上総利益の増加が見込めるものでなければなりません。ホームページを作ること自体を目的に書くと、ここが弱くなります。

第三者の支援を受けたら必ず書く

制作会社やコンサルタントに計画づくりを手伝ってもらった場合は、様式2の「商工会・商工会議所を除く第三者からのアドバイスの有無」に、相手方と支援に係る金額を書く必要があります。支援料金の支払いの有無は問いません。書いていないと虚偽の報告として不採択・交付決定取消しになると、公募要領の冒頭に明記されています。

また、事業者自らが検討しているような記載が見られない場合や、自ら検討していなかったことが判明した場合は、評価にかかわらず不採択・交付決定取消しです。GビズIDのアカウントとパスワードを支援者に渡すことは、GビズIDの利用規約に反するとも書かれています。

制作会社に頼むときの見積もり・契約・支払いの注意点は?

制作会社に頼むときの最大の注意点は、交付決定の前に契約・発注・支払いをしないことです。前払いも含めて対象外になります。見積書は項目ごとの内訳を出してもらい、1件50万円(税込)を超える発注は2者以上から見積もりを取ります。支払いは補助事業者名義の銀行振込が大原則で、補助事業期間内に支払いまで終えます。

公募要領の規定を、制作の段取りに置き換えて並べます。

タイミング確認すること公募要領の根拠
申請前見積もりは概算でよいが、何にいくらかかるかを費目別に分ける採択後、見積金額に複数項目がある場合は内訳を示す必要がある
申請前申請書の作成代行料を経費に入れない補助金応募書類・実績報告書等の作成・送付・手続きに係る費用は対象外
採択後正式な見積書を取り直し、1件50万円(税込)超なら2者以上の相見積を取る見積書等の提出期限は2028年2月29日。未提出は採択取消し
交付決定前契約・発注・着手・前払いをしない交付決定前の発注・契約・購入・支払い(前払い含む)は対象外
交付決定後契約書に作業内容と金額を明記し、「諸経費」などのまとめた項目を避ける内訳が不明な経費は対象外
支払い補助事業者名義の銀行振込で支払う1取引10万円(税抜)超の現金払い、小切手・手形・相殺は不可
支払いクレジットカードなら補助事業者名義で、期間内に引き落としまで完了させる分割・リボは期間内の引き落とし完了が必要。個人カードは帳簿で確認できないと対象外
公開補助事業実施期限までにサイトを公開し、販路開拓に使う期間内に運用に至らなかったホームページ・LPは対象外
報告公開画面、納品物、請求書、振込記録を保存する成果物の写真などの証憑が用意できない経費は対象外

相見積とは、価格の妥当性を示すために、2つ以上の別々の会社から同じ内容の見積もりを取ることです。公募要領では、補助事業者自身が別々の企業から取得するよう求めています。より安い発注先を選ぶのが原則で、見積もりを取るのが難しい性質の業務なら、随意契約にする理由書を交付決定までに出します。

月額制のホームページを補助金で払う場合

最近は、初期費用を抑えて月額で払うホームページも増えています。僕の会社でも、初期0円・月額5,000円(税別)から、最低契約12か月のホームページのプランを2026年9月から実際の案件で使い始めました。

月額制と持続化補助金を組み合わせるときは、補助の対象が「交付決定日以降に発生し、補助事業期間中に支払いが完了した経費」に限られる点を押さえておきます。公募要領では、契約期間が補助事業期間を超えるソフトウェア使用権や借料は、按分などで計算した補助事業期間分だけが対象とされています。月額の運用費のうち対象にできるのは期間内の分だけ、と考えておくのが安全です。どこまでを対象にできるかは計画の中身で変わるので、様式4の面談で商工会・商工会議所に確認してください。

揉めやすいのは「採択されたら作る」という口約束

制作会社の側から見て一番揉めやすいのは、申請前に「採択されたらお願いします」とだけ決めて、採択後に金額や範囲が変わるケースです。採択から交付決定までの間に正式な見積書を出す必要があり、相見積が要る金額なら他社の見積もりとも比べられます。申請時の概算と採択後の正式見積もりがずれると、計画との整合が取りにくくなります。

僕の会社では、補助金を使う前提の相談を受けたら、最初に費目と金額の上限を一緒に決めるようにしています。ウェブサイト関連費は補助金交付申請額30万円が上限なので、サイトの費用がそれを超える場合、超えた分は自己負担になります。その前提を見積書の段階で共有しておくと、採択後の行き違いが減ります。

デジタル化・AI導入補助金とどう使い分ける?

持続化補助金は販路開拓とあわせて行う業務効率化の費用、デジタル化・AI導入補助金は事務局に登録されたITツールの導入費用が対象です。ホームページやチラシで新しい客を取りにいくなら持続化補助金、会計や顧客管理などの業務ソフトを入れるならデジタル化・AI導入補助金、と目的で分けます。同じ事業・経費を2つの補助金に載せることはできません。

2つの制度を、2026年10月1日時点の公式情報で比べます。

項目小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠 第20回)デジタル化・AI導入補助金(通常枠)
目的経営計画に基づく販路開拓等と、あわせて行う業務効率化業務の生産性を上げるITツールの導入
補助額・補助率上限50万円(特例で最大250万円)・2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4)5万〜450万円・原則1/2以内(条件を満たすと2/3以内)
対象者小規模事業者(商業・サービス業は従業員5人以下など)中小企業・小規模事業者
ホームページウェブサイト関連費として対象(補助金交付申請額の上限30万円・単独申請不可)対象は事務局に登録されたITツールに限られる
一緒に申請する相手地域の商工会・商工会議所(様式4の発行)登録されたIT導入支援事業者との共同申請
次の締切申請受付2026年11月5日〜12月15日17時(様式4は12月4日)6次締切2026年10月30日17時

デジタル化・AI導入補助金の枠や締切、AIツールが対象になる条件は、デジタル化・AI導入補助金2026の枠・締切・対象経費で詳しく整理しています。

持続化補助金の公募要領は、同じ補助事業について国の他の補助金を重複して受け取ることはできないとしています。国の他の補助事業と同じ内容で併願している場合は、重複して採択しないとも書かれています。2つを使うなら、ホームページと広報は持続化補助金、業務ソフトはデジタル化・AI導入補助金というように、事業と経費を最初から分けておきます。

社員がAIを使えるようになるための研修費は、どちらの補助金でもなく、厚生労働省の助成金が候補です。研修の費用はAI研修に使える助成金の記事に、人を雇う・正社員化するときの助成金はキャリアアップ助成金の記事にまとめています。

ウラカタが申請するなら、どう組むか?

僕の会社は、2026年10月1日時点で持続化補助金を申請していません。自社で出す候補として2026年7月に試算はしました。本業の受託制作に関わる経費は「他社のための経費」で対象外になるので、切り口は自社サービスの販路開拓に絞り、展示会出展費を主軸に広報費とウェブサイト関連費を足す組み方になります。以下は、うちが出すならこう書く、という実演です。

僕の会社は、補助金を「客として使う側」と「制作を受ける側」の両方で調べています。2026年7月18日には国・都・区の制度110件を走査し、うち23件を公募要領などの一次情報で個別に裏取りしました。持続化補助金は、そのとき自社の申請候補として残した制度の1つです。

うちが申請するなら、こう書く

最初に当たるのが「他社のために実施する経費は対象外」というルールです。公募要領には、他社の商品を宣伝するためのホームページ制作費が対象外の例として挙がっています。僕の会社の本業はクライアントのホームページや広告の制作なので、受託の仕事に関わる費用は一切使えません。そこで切り口は、自社で持っている採用支援サービスの販路開拓に絞ることになります。

経費は、ウェブサイト関連費と広報費だけでは積めないので、展示会出展費を主軸に組みます。2026年7月時点の試算では、人事・採用系の展示会出展に、広報費30万円、ウェブサイト関連費30万円、旅費を加えて、経費総額130〜150万円です。補助率2/3で約90〜100万円という計算になります(いずれも僕の試算です)。インボイス特例の上乗せが確定すれば、上限100万円に収まる組み方です。あくまで机上の試算なので、実際に出すときは展示会の開催時期を交付決定後の2027年春以降に合わせ、その時点の最新の公募要領で組み直すことになります。

論点うちならこうする理由
申請の切り口自社サービスの販路開拓に絞るクライアントのための経費は対象外
経費の主軸展示会出展費ウェブサイト関連費と広報費はそれぞれ補助金交付申請額30万円が上限で、単独申請もできない
賃金引上げ特例初回は使わない要件を1つでも満たせないと補助金全体が不交付になる
インボイス特例税理士に要件を確認してから判断免税事業者だった期間の有無で該当が決まる
様式411月中旬までに面談を終える発行受付は12月4日で、混雑が予想される
自社の月額制ホームページ事業の開発費経費に入れない販売を目的としたシステム・ソフトウェア開発は対象外

AIで調べて、要領で裏を取る

2026年8月10日には、AIのサブエージェント12体で59制度を並列に調べ、別の担当に根拠を読み直させる監査をしました。その監査で訂正が入ったのが、持続化補助金のウェブサイト関連費です。最初の調査では、ウェブサイト関連費の上限を古いルールで書いていました。公募要領を読み直すと、現行の第20回では補助金交付申請額30万円が上限です。

制度の解説ページや過去の記事には、以前の回のルールが残っていることがあります。持続化補助金は回ごとに要領が改定されるので、根拠にするのは、その回の公募要領の最新版だけにしています。この記事もその前提で書いています。

補助金でホームページを作りたい相談が来たら

僕の会社では、補助金でホームページを作りたいという相談を受けたら、最初に3つを確認しています。小規模事業者の要件に当てはまるか。ホームページ以外に組み合わせる販路開拓の取組があるか。交付決定まで半年ほど待てるか、です。

3つ目で「待てない」となることは少なくありません。その場合は、補助金を使わずに小さく作って公開し、次の公募回で広報や展示会と組み合わせた計画を立てる、という順番も選択肢になります。急がない改修部分だけを補助事業に回すこともできます。ただし、その場合も交付決定前に着手した部分は対象外です。

AIを使ってどんな業務を回しているかはClaude Codeの業務活用事例に、作ったサイトをAI検索に引用させる考え方はAIO・LLMO対策の記事にまとめています。補助金を使うかどうかも含めて、ホームページや広告の進め方を相談したい場合はウラカタのサービス一覧をご覧ください。

この記事は採択を保証するものではありません。要件の最終判断は、最新の公募要領と、地域の商工会・商工会議所に確認してください。

まとめ

  • 小規模事業者持続化補助金の第20回は、補助上限50万円(インボイス特例・賃金引上げ特例で最大250万円)、補助率2/3。特例の要件を1つでも満たせないと補助金全体が交付されない
  • 申請受付は2026年11月5日〜12月15日17時。実質の締切は様式4の発行受付締切の12月4日で、GビズIDプライムの取得には数週間かかる
  • ホームページはウェブサイト関連費で対象になるが、補助金交付申請額の上限は30万円で、単独申請はできない。期間内に公開・運用しないサイトは対象外
  • 制作会社に頼むときは、交付決定前に契約・発注・前払いをしない。内訳のある見積書、1件50万円(税込)超の相見積、名義人口座からの銀行振込が基本
  • 第19回の採択は申請16,576件中7,819件。業務ソフトの導入はデジタル化・AI導入補助金と、事業と経費を分けて使い分ける

よくある質問

持続化補助金でホームページだけを作ることはできますか?

できません。第20回の公募要領では、ウェブサイト関連費のみでの申請はできないと明記されています。チラシや看板の広報費、展示会出展費、店舗改装の外注費など、ほかの経費と組み合わせて申請します。ウェブサイト関連費の補助金交付申請額は30万円が上限です。

採択されたらすぐにホームページ制作を発注していいですか?

まだ発注できません。採択の後に見積書等を出し、事務局の審査を経て交付決定を受けてから、その交付決定日以降に契約・発注・支払いをします。公募要領では、交付決定は採択発表から概ね1〜2か月かかる場合があるとされています。採択通知だけで動くと対象外になります。

持続化補助金はいつ入金されますか?

補助事業をすべて終え、実績報告を出して補助金額が確定し、請求をした後です。経費は先に全額を自社で支払う後払いの仕組みです。第20回の補助事業実施期限は2028年3月31日、実績報告の期限は2028年4月10日なので、資金繰りは全額の立て替えを前提に組みます。

個人事業主やフリーランスでも申請できますか?

申請できます。対象は日本国内に居住する個人、または国内に本店を持つ法人で、業種ごとの従業員数の基準を満たす小規模事業者です。商業・サービス業は常時使用する従業員5人以下で、会社役員や同居の親族従業員は人数に含めません。GビズIDプライム(またはメンバー)のアカウントは法人と同じく必要です。

不採択になったら次の回に申請し直せますか?

次の公募回に申請し直すことは可能です。ただし第20回の公募要領では、次回の公募予定は第20回の受付締切以降に案内するとされており、2026年10月1日時点で第21回の日程は公表されていません。採択審査の内容についての問い合わせには応じないとされています。

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