この記事の結論
持続化補助金の創業型は上限200万円(インボイス特例で250万円)・補助率2/3。第4回は2026年12月15日締切で、開業日と特定創業支援を受けた日が過去1年以内であることが条件です。一般型との違いと逆算の段取りを整理しました。
目次8項目
持続化補助金の創業型は、開業から1年以内の小規模事業者向けの枠で、補助上限200万円(インボイス特例で250万円)、補助率2/3です。第4回の申請受付は2026年11月5日〜12月15日17時。開業日と特定創業支援等事業の支援を受けた日の両方が2025年12月15日以降であることが条件で、一般型との併願はできません。
この記事の情報は、2026年10月3日に、創業型の補助金事務局サイト、第4回公募要領(第8版・2026年5月27日)、ミラサポplusの採択結果の告知、川口市の創業支援のページで確認したものです。要件や日程は改定されることがあるため、申請前に必ず最新の公募要領を確認してください。
持続化補助金の創業型とは?第4回の補助上限・補助率・対象者
持続化補助金の創業型とは、市区町村の特定創業支援等事業を受けて開業した小規模事業者が行う販路開拓などの費用の一部を、国が補助する制度です。第4回の補助上限は200万円、補助率は2/3で、インボイス特例に当たれば50万円が上乗せされて250万円になります。対象は、開業日と支援を受けた日がどちらも公募締切から過去1年以内の事業者です。
正式な名称は「小規模事業者持続化補助金<創業型>」です。事務局は株式会社日本経営データ・センターが運営していて、一般型(通常枠)とは別の公募要領・別のサイトで募集されています。
第4回の基本条件の早見表
公募要領と事務局サイトで確かめた内容を、1つの表にまとめます。
| 項目 | 第4回の内容 |
|---|---|
| 補助上限 | 200万円 |
| インボイス特例 | 50万円上乗せ(上限250万円) |
| 補助率 | 2/3 |
| 対象者 | 開業日と特定創業支援等事業の支援を受けた日が、公募締切から過去1年以内の小規模事業者 |
| 第4回の対象期間 | 2025年12月15日〜2026年12月15日(事務局サイトの記載) |
| 申請受付 | 2026年11月5日(木)〜12月15日(火)17:00 |
| 様式4の発行受付締切 | 2026年12月4日(金) |
| 申請方法 | 電子申請システムのみ。GビズIDプライム(またはメンバー)が必要 |
補助上限から逆算すると、上限いっぱいに使う場合の経費の目安が出ます。補助率2/3で200万円を受けるには経費300万円、250万円なら375万円です(どちらも僕の計算です)。補助金は後払いなので、この全額をいったん自社で支払える資金計画が前提になります。
「創業後1年以内」は第3回から
検索すると「創業後3年以内」と書いた解説がまだ残っています。創業型の事務局サイトによると、第1回・第2回は創業後3年以内が対象でしたが、第3回以降は創業後1年以内に変わりました。古い記事の条件で計画を立てると、そもそも対象外になります。
対象になる人・ならない人
小規模事業者とは、業種ごとに決められた「常時使用する従業員の数」以下の事業者のことです。商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下です。会社役員と同居の親族従業員は数えません。
創業型ならではの条件は、開業のタイミングです。公募要領では、申請時点で開業していない創業予定者は対象外です。税務署に開業届を出していても、開業届上の開業日が申請日より後なら対象になりません。
一方で、開業はしたものの、まだ商品やサービスの提供を始めていない事業者は対象になり得ます。公募要領は、店舗のオープン準備中、ECモールへの出店準備中といった例を挙げています。ただし補助事業の終了までに提供を始める必要があり、満たせないと補助金は交付されません。
| 状況 | 第4回の扱い(公募要領より) |
|---|---|
| 開業届を出し、開業日も申請日より前 | 対象になり得る |
| 開業済みで、店舗はまだオープン準備中 | 対象になり得る(補助事業終了までに提供開始が必要) |
| 開業届は出したが、開業日が申請日より後 | 対象外 |
| 法人で、代表者以外の役員が特定創業支援を受けた | 対象外(代表者本人が受けている必要がある) |
| 個人事業を法人化し、個人事業の開業日から1年超 | 対象外 |
| 過去に創業型で採択され、補助事業を実施した | 対象外(代表者を変えても対象外) |
| 一般型の通常枠に申請中・採択済み | 対象外 |
| 医師・歯科医師、一般社団法人、医療法人など | 対象外 |
一般型とどこが違う?併願できない・一度きりの枠
一般型との一番大きな違いは、補助上限と対象者です。一般型(通常枠)は上限50万円で、賃金引上げ特例を使って初めて200万円以上に届きます。創業型は、開業1年以内という条件を満たせば最初から上限200万円です。その代わり、一般型との重複申請はできず、創業型で一度採択されて事業を実施すると、二度と申請できません。
2026年秋の公募は、一般型の第20回と創業型の第4回が同じ日程で動いています。違いを並べます。
| 項目 | 創業型 第4回 | 一般型(通常枠)第20回 |
|---|---|---|
| 対象者 | 開業日と特定創業支援を受けた日が過去1年以内 | 小規模事業者(創業時期の条件なし) |
| 補助上限 | 200万円 | 50万円 |
| 特例 | インボイス特例 +50万円 | インボイス特例 +50万円、賃金引上げ特例 +150万円 |
| 最大の上限 | 250万円 | 250万円(両特例) |
| 補助率 | 2/3 | 2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4) |
| 必須の追加書類 | 特定創業支援等事業の証明書、登記簿か開業届 | 決算書など |
| ウェブサイト関連費 | 補助金交付申請額の上限30万円・単独申請不可 | 同じ |
| 申請受付 | 2026年11月5日〜12月15日17時 | 同じ |
| 様式4の締切 | 2026年12月4日 | 同じ |
| 併願 | 一般型との重複申請不可 | 創業型との同時申請不可 |
一般型の詳しい要件やスケジュールは、小規模事業者持続化補助金(一般型)第20回の締切とホームページ活用にまとめています。この記事では、創業型ならではの部分に絞ります。
最大額は同じでも、届き方が違う
最大の上限はどちらも250万円ですが、届き方がまったく違います。一般型で250万円にするには、賃金引上げ特例の要件を満たす必要があります。2027年4月1日〜2028年3月31日の給与支給総額を、前年同期と比べて従業員1人あたり年平均3.0%以上増やすことです。比べる期間に従業員がいなければ使えません。
創業したばかりで従業員がいない、あるいは雇ったばかりという事業者には、この特例はかなり使いにくい条件です。創業型は、開業の条件さえ満たせば200万円の枠を最初から使えます。創業型の公募要領に載っている特例はインボイス特例だけで、賃金引上げ特例はありません。
インボイス特例は「登録すれば」が条件
インボイス特例とは、適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者の補助上限を、一律50万円上乗せする仕組みのことです。創業型の公募要領は、要件を「2023年10月1日以降に創業した事業者で、補助事業の終了時点で適格請求書発行事業者の登録を受けていること」としています。
第4回の申請者は開業日が2025年12月15日以降なので、創業日の条件は満たす計算です(僕の読み方です。最終判断は事務局に確認してください)。残る条件は、補助事業の終了時点で登録を受けていることです。注意したいのは、特例を希望して要件を1つでも満たせなかった場合です。上乗せ分だけでなく、補助金の全体が交付されません。
一度きりなので、使う回を選ぶ
創業型は、一度採択されて補助事業を実施すると、その後は申請できません。不採択だった場合に次の回へ出し直せるかは、その時点で開業日が対象期間に入っているかで決まります。開業1年以内という条件があるので、出し直しの機会は多くありません。
一般型との関係にも注意が要ります。創業型の公募要領は、一般型の通常枠に申請中の事業者、採択を受けている事業者、採択を受けて補助事業を実施した事業者を対象外にしています。2026年秋は締切が同じ12月15日なので、どちらか一方に絞る判断を、計画書を書き始める前に済ませておきます。
特定創業支援等事業とは?「創業1年以内」の判定と証明書
特定創業支援等事業とは、産業競争力強化法に基づいて認定を受けた市区町村が、経営・財務・人材育成・販路開拓の知識を身につけるために継続して行う創業支援です。創業型に申請するには、この支援を代表者本人が受け、その証明書の写しを出す必要があります。支援を受けた日と開業日の両方が、第4回では2025年12月15日〜2026年12月15日に入っていることが条件です。
認定市区町村とは、産業競争力強化法に基づく創業支援等事業計画について、国の認定を受けた市区町村のことです。受講した地域と別の地域で創業した場合も対象になると、公募要領に明記されています。
判定に使う日付は「書類の日付」ではない
公募要領は、開業日の判定に使う日付をはっきり決めています。法人は現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書の「会社成立の年月日」、個人事業主は開業届の「開業・廃業等日」です。書類の発行日や提出日ではありません。
もう1つの日付が、特定創業支援等事業の支援を受けた日です。公募要領は、支援を受けた日と開業日の両方が公募締切から過去1年の間であることを求めています。期間の詳しい考え方は別紙の参考資料で示すとされていて、事務局サイトには第4回の期間として2025年12月15日〜2026年12月15日と書かれています。
証明書の有効期限については、切れていても要件に合っていれば提出書類として認めるとされています。
誰が受けている必要があるか
| 事業の形 | 支援を受けている必要がある人 | 対象外になる例 |
|---|---|---|
| 会社(株式会社・合同会社など) | 代表取締役または代表社員 | 代表者以外の役員・従業員が受けた |
| 企業組合・協業組合 | 代表役員 | 同上 |
| 士業法人 | 代表社員 | 同上 |
| 個人事業主 | 本人 | 家族専従者や後継予定者が受けた |
証明書は何日で出るか(川口市の例)
証明書の発行の要件と日数は、自治体ごとに違います。僕の会社が拠点を置く川口市の例を、市のホームページで確かめました(2026年3月2日更新のページ)。
川口市では、「経営」「財務」「人材育成」「販路開拓」の4分野を、1か月以上かつ4回以上受講すると証明書の対象になります。申請は電子フォーム、窓口、郵送のいずれかで、発行は申請が市に届いてから5〜10営業日後です。郵送の場合は、手元に届くまで10日〜2週間程度かかると案内されています。証明書でできることとして、登録免許税の減免や創業関連保証の特例などと並んで、持続化補助金<創業型>の申請対象になることも挙がっています。
受講の窓口は、商工会議所の創業塾や個別相談、市の創業支援センターなど複数あります。まずは、自分が住んでいる、あるいは開業する市区町村の創業支援のページで、要件と発行日数を確認してください。
第4回のスケジュールは?証明書と様式4から逆算する
第4回の申請受付は2026年11月5日〜12月15日17時ですが、実質の締切は事業支援計画書(様式4)の発行受付締切の12月4日です。創業型ではさらに、特定創業支援等事業の受講と証明書の発行が前に入ります。川口市の要件で逆算すると、受講は10月中旬から下旬には始めておかないと間に合わない計算です。
事業支援計画書(様式4)とは、申請者の経営計画を地域の商工会・商工会議所が確認し、支援の内容を記して発行する書類のことです。創業型でも必須で、公募要領は発行受付の締切後は「いかなる理由があっても」発行できないとしています。補助対象者の要件を満たしていないと判断された場合も発行されません。
公式のスケジュール
| 項目 | 日付 |
|---|---|
| 公募要領公開 | 2026年5月27日(水) |
| 申請受付開始 | 2026年11月5日(木) |
| 様式4の発行受付締切 | 2026年12月4日(金) |
| 申請受付締切 | 2026年12月15日(火)17:00 |
| 採択発表 | 2027年3月頃(予定) |
| 交付決定 | 採択発表から概ね1〜2か月(目安) |
| 見積書等の提出期限 | 2028年2月29日(火) |
| 補助事業実施期限 | 2028年3月31日(金) |
| 実績報告書の提出期限 | 2028年4月10日(月) |
| 事業効果等状況報告 | 補助事業終了から1年後の状況を報告 |
今日から逆算した段取り(川口市の要件で計算した例)
ここからは僕の計算です。川口市の「1か月以上・4回以上」と「到着から5〜10営業日」をそのまま当てはめると、次のような順番になります。他の市区町村では要件と日数が違うので、自分の自治体の数字に置き換えてください。
| 時期の目安 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 10月上旬 | GビズIDプライムを申し込む | 公募要領では取得に数週間程度。暫定アカウントは使えない |
| 10月中旬〜下旬 | 特定創業支援等事業の受講を始める | 1か月以上かつ4回以上の受講が必要 |
| 11月中旬〜下旬 | 受講を終え、証明書を申請する | 到着から5〜10営業日で発行 |
| 開業前に必ず | 開業届を出す・会社を設立する | 開業日が申請日より後だと対象外 |
| 11月中 | 経営計画(様式2)と補助事業計画(様式3)を書き上げる | 様式4の依頼時に計画書と一時保存の申請画面が要る |
| 12月4日まで | 商工会・商工会議所に様式4を依頼し、発行を受ける | 締切後は理由を問わず発行されない |
| 12月15日17時まで | 電子申請を完了する | 様式4のPDFをアップロードするまで申請を完了できない |
この表で一番きついのは、受講と証明書の発行です。10月3日時点で受講を始めていない人が第4回に間に合うかは、受講できる日程次第です。間に合わない場合は、次の回の公募を待つことになります。公募要領によると、次回の予定は第4回の受付締切の後に案内されます。
申請に必要な書類
創業型で、一般型にない書類は主に3つです。特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書の写し、法人なら申請日から3か月以内の現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書の原本、個人事業主なら開業日の書かれた開業届の写しです。開業日が書かれていない開業届は無効とされています。
決算期を一度も迎えていない事業者は、決算書や確定申告書の代わりに売上台帳などを出します。すでに事業を始めているなら申請時に、まだなら実績報告のときに、開業以降に売上が出ていることを示します。特定創業支援等事業で作った創業計画書がある場合は、それも提出します。作っていなくても、それを理由に不採択や減点にはならないと公募要領に書かれています。
どれくらいの割合で採択されているか
ミラサポplusの告知によると、創業型の第3回は申請1,919件に対して採択791件でした(2026年7月29日公表)。割合は僕が計算したもので、約41.2%です。半分以上は採択されていません。審査は提出書類だけで行われ、ヒアリングはありません。
開業ホームページに使える?ウェブサイト関連費は30万円が上限
創業型でも、ホームページやECサイトの制作・改修は「ウェブサイト関連費」として補助の対象になります。ただし補助金交付申請額の上限は30万円(税込)で、ウェブサイト関連費だけでの申請はできません。上限200万円の枠があっても、サイトに使えるのは30万円までです。そしてもう1つ、開業前に作ったサイトは対象になりません。
ウェブサイト関連費とは、販路開拓などのためにウェブサイトやECサイト、システムを開発・構築・更新・改修・運用するための経費です。ウェブ関連の外注費やソフトウェアも、ほかの費目ではなくここに入れるよう指定されています。
30万円の上限はどう効くか
上限は経費ではなく、補助金交付申請額にかかります。補助率2/3なので、経費45万円で補助額がちょうど30万円です。サイトの経費が60万円でも、申請できる補助額は30万円のままです(いずれも僕の計算です)。広報費も同じく補助金交付申請額の上限30万円で、単独申請はできません。
| ウェブサイト関連費(経費) | 2/3の額 | 申請できる補助額 | 自己負担 |
|---|---|---|---|
| 30万円 | 20万円 | 20万円 | 10万円 |
| 45万円 | 30万円 | 30万円 | 15万円 |
| 60万円 | 40万円 | 30万円(上限) | 30万円 |
| 90万円 | 60万円 | 30万円(上限) | 60万円 |
消費税は原則として補助対象外です。例外は、消費税を含めて申請し、その内容で交付決定を受けた免税事業者・簡易課税事業者・2割特例の申請者です。上の表は消費税の扱いを考えていない単純な計算なので、実際の見積もりは税理士に確認してから組んでください。
開業準備の出費は対象にならない
交付決定とは、採択の後に見積書などの審査を経て、事務局が補助金を交付すると決める手続きのことです。補助の対象は、交付決定日以降に発注・契約し、補助事業期間内に支払いまで終えた経費だけです。採択通知だけでは事業を始められないと、公募要領ははっきり書いています。
第4回の採択発表は2027年3月頃、交付決定はそこから概ね1〜2か月後の予定です。つまり補助金でホームページを発注できるのは、早くても2027年の春以降です。開業日の時点で必要な最低限のサイトは、補助金とは切り離して自己資金で用意することになります。
対象になるウェブの使い方
公募要領に例として挙がっているものを整理します。
| 対象になる例 | 対象にならない例 |
|---|---|
| 商品販売のための自社ウェブサイトの作成や更新 | ウェブサイトやシステムに関するコンサルティング、アドバイス費用 |
| 効果や作業内容が明確なウェブサイトのSEO対策 | 補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページ |
| ウェブサイトやECサイトに載せる宣材写真の制作費用 | ウェブサイトに使う画像の被写体や商品の購入費用 |
| 商品・サービスを販売するための画像や動画の作成費用 | 販売を目的としたシステムやソフトウェアの開発 |
| 顧客管理システムの構築、アプリケーション開発 | 家庭用・一般事務用ソフトウェア、既に導入しているソフトの更新料 |
制作する側として必ず伝えているのは、期間内に公開して販路開拓に使っていないサイトは対象外になる点です。納品して支払っただけでは足りません。50万円(税抜)以上でウェブサイトやシステムを作った場合は「処分制限財産」になり、通常は取得日から5年間、事務局の承認なく目的外の使用や廃棄ができなくなることがあります。
創業者がつまずきやすい対象外の経費も挙げておきます。パソコン・タブレット・事務用プリンターなど汎用性の高い機器、自動車やキッチンカー、既存の事務所の家賃、名刺、補助金の申請書類の作成費用は対象外です。代表者・役員の3親等以内の親族が代表を務める会社への発注も対象外です。
ウラカタは創業者に、どう組み立てを提案しているか?
僕の会社は、ホームページ・LP・SNS・広告の制作と運用をしている会社です。創業者から補助金の相談を受けたときは、まず市区町村の特定創業支援等事業を受けてもらい、そのうえで開業ホームページを販路開拓の計画の一部として組む、という順番で提案します。ただし今回、第4回の公募要領を読み直して、社内のメモに1つ誤りがあったことに気づきました。
補助金を要綱の原文まで走査した記録
僕の会社は、補助金を「自社が使う側」と「お客さまに使ってもらう側」の両方で調べています。2026年7月18日には国・都・区の制度110件を走査し、うち23件を公募要領などの一次情報で個別に裏取りしました。
2026年8月10日には、川口市を拠点に活動する前提で、市・県・国の制度を調べ直しました。AIのサブエージェント12体で、市14制度・県16制度・国15制度と、お客さまの発注につながる14制度を並列に調べています。金額の大きいものは、交付要綱や公募要領の原文で裏を取りました。そのうえで、別の担当に根拠を読み直させる監査も回しています。
この調査で、創業型は「お客さまに使ってもらう側」の制度として整理しました。当時のメモに書いた要点は次の4つです。
- 対象は創業1年以内
- ウェブサイト関連費の上限が一般型より大きい
- 第4回は11月5日〜12月15日の予定
- 提案は「まず市の特定創業支援を受けてください」から始め、開業ホームページ一式につなげる(川口市は認定自治体)
今回の確認で直したこと
2026年10月3日にこの記事のために第4回の公募要領(第8版)を読み直すと、4つのうち3つは公式と一致していました。創業1年以内、上限250万円(200万円にインボイス特例50万円)、11月5日〜12月15日の日程です。
一致しなかったのが、ウェブサイト関連費の上限です。メモには「一般型より大きい」と書いていましたが、第4回の創業型の公募要領では、補助金交付申請額の上限30万円(税込)で、ウェブサイト関連費だけでの申請もできません。一般型の第20回と同じ条件です。補助上限が200万円と大きいので、ウェブの枠も大きいと思い込んでいた可能性があります。
実はこの手の訂正は2回目です。8月の監査でも、持続化補助金のウェブサイト関連費について、最初の調査が古いルール(総額の1/4まで、という旧ルール)で書かれていたのを、現行の30万円上限に直しました。持続化補助金は回ごとに要領が改定され、類型ごとに公募要領も分かれています。根拠にするのは、その類型・その回の公募要領の最新版だけ、というルールを改めて徹底しています。
創業者への提案の組み方
訂正を踏まえて、提案の組み方も変えました。ホームページに使える補助は30万円までで、発注できるのは交付決定後です。なので「開業ホームページ一式を補助金で作る」とは言いません。次の2段に分けて考えます。
| 段階 | 時期 | 中身 | お金 |
|---|---|---|---|
| 1段目 | 開業時 | 店名・場所・営業時間・問い合わせ先が分かる最低限のサイト | 自己資金(補助対象外) |
| 2段目 | 交付決定後(2027年春以降) | 予約・通販の機能、宣材写真、販売用の動画、SEO対策 | ウェブサイト関連費(補助額は30万円まで) |
| 組み合わせ | 交付決定後 | チラシ・看板・SNS広告(広報費)、展示会出展、店舗改装の外注など | 計画に沿って配分 |
ウェブサイト関連費と広報費はそれぞれ補助額30万円が上限なので、200万円の枠を使い切るには、展示会出展費や店舗改装などの委託・外注費、機械装置等費が計画の主軸になります。ホームページは販路開拓の計画の一部として位置づけ、「新しい客をどう取りに行くか」を先に書きます。審査では、特定創業支援等事業で作った創業計画書を踏まえた計画になっているかや、デジタル技術を有効に使う取組があるかも見られます。
計画づくりを手伝ってもらったら必ず書く
制作会社やコンサルタントに計画書づくりを手伝ってもらった場合は、様式2の「商工会・商工会議所を除く第三者からのアドバイスの有無」に、相手方と支援に係る金額を書きます。料金を払ったかどうかは問いません。書いていないと虚偽の報告として不採択・交付決定取消しになると、公募要領の冒頭に明記されています。
事業者自身が検討していないと判断された場合も、評価にかかわらず不採択・取消しです。GビズIDのアカウントとパスワードを支援者に渡すことは、GビズIDの利用規約に反します。社外の代理人だけで商工会・商工会議所に相談したり、様式4を依頼したりすることもできません。僕の会社が手伝えるのは、計画の中身を一緒に考えることと、交付決定後の制作です。
開業後にAIを使ってホームページを作る方法はAIでホームページを作る方法に、店舗の集客で地図検索に出る工夫はMEO対策の記事にまとめています。業務ソフトの導入を考えているなら、デジタル化・AI導入補助金2026の枠・締切・対象経費も比べてみてください。補助金を使うかどうかも含めて開業時のサイトや広告を相談したい場合は、ウラカタのサービス一覧をご覧ください。
この記事は採択を保証するものではありません。要件の最終判断は、最新の公募要領と、地域の商工会・商工会議所、市区町村の創業支援窓口に確認してください。
まとめ
- 持続化補助金の創業型は、補助上限200万円(インボイス特例で250万円)、補助率2/3。2026年10月時点の第4回は、開業日と特定創業支援等事業の支援を受けた日が2025年12月15日〜2026年12月15日に入っていることが条件
- 申請受付は2026年11月5日〜12月15日17時、様式4の発行受付締切は12月4日。その前に、市区町村の受講と証明書の発行が入る
- 一般型との重複申請はできず、創業型で一度採択されて事業を実施すると再申請できない。開業前の創業予定者も対象外
- ウェブサイト関連費は、創業型でも補助金交付申請額30万円が上限で単独申請不可。発注できるのは交付決定後(早くても2027年春以降)
- 第3回は申請1,919件中791件の採択(約41.2%)。開業時のサイトは自己資金、補助金は開業後の販路開拓に、と分けて計画する
よくある質問
開業前の創業予定者でも創業型に申請できますか?
できません。第4回の公募要領では、申請時点で開業していない創業予定者は対象外で、開業届の開業日が申請日より後の場合も対象外とされています。一方、開業済みでまだ商品やサービスの提供を始めていない事業者は対象になり得ます。その場合は補助事業の終了までに提供を始める必要があります。
一般型と創業型の両方に申し込めますか?
申し込めません。創業型の公募要領は一般型との重複申請はできないとし、一般型の通常枠に申請中または採択済みの事業者を対象外にしています。2026年の受付はどちらも12月15日締切なので、要件を確かめたうえで、どちらか一方に絞って計画書を作ります。
特定創業支援等事業の証明書はどこで発行されますか?
特定創業支援等事業を実施した認定市区町村が発行します。公募要領では、認定市区町村が発行した証明書の写しに限るとされています。発行までの日数は自治体ごとに違い、たとえば川口市は申請が市に届いてから5〜10営業日後の発行と案内しています。早めに市区町村の窓口に相談してください。
開業前に買った備品や作ったホームページは補助されますか?
補助されません。対象は交付決定日以降に発注・契約し、補助事業期間内に支払いまで終えた経費だけです。第4回の採択発表は2027年3月頃の予定で、交付決定はそこから概ね1〜2か月後です。開業準備の出費は自己資金で考え、補助金は開業後の販路開拓に充てる計画にします。
法人の場合、誰が特定創業支援を受けている必要がありますか?
法人の代表者本人です。公募要領では、代表者以外の役員や従業員が支援を受けた場合は対象外とされています。個人事業主は本人が受けている必要があり、家族専従者が受けた場合は対象外です。個人事業を法人化した場合は、個人事業の開業日から1年を過ぎていると申請できません。