この記事の結論
画像生成AIで日本語が崩れるのは、文字を形として描くためです。公式も文字の正確さはまだ苦手と認めています。僕の会社は絵だけを生成し、日本語は後からHTMLで重ねる運用にしました。1カット3回までの検品ルールも紹介します。
目次6項目
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画像生成AIで日本語が崩れるのは、文字を文字としてではなく、絵の一部の形として描いているからです。公式ドキュメントも、文字の正確な配置と鮮明さはまだ苦手な場合があると認めています。いちばん確実な直し方は、AIには文字のない絵だけを描かせ、日本語は後からHTMLなどで重ねることです。
画像生成AIで日本語が崩れる3つの原因
日本語が崩れる原因は、多い順に「文字を形として描いている」「入れる文字が長い・小さい・多い」「指示していない小物に文字が出る」の3つです。どれもプロンプトの工夫で減らせますが、ゼロにはできません。広告や資料のように1字の誤りも許されない用途では、文字は画像生成に任せないのが前提になります。
画像生成AIとは、文章の指示や参照画像から、写真やイラストを画素の集まりとして新しく作るAIのことです。ワープロのように文字の情報を打ち込んでいるわけではなく、文字も「それらしい形」として描きます。そのため、似た形の別の字や、存在しない漢字が出ることがあります。
2026年10月時点で、OpenAIのAPIの画像生成ガイドには、文字の描画は大きく改善したものの、正確な配置と鮮明さはまだ苦手な場合がある、と書かれています。Codexの画像生成のドキュメントも、文字の多い画像や仕上がりが重要な文字は1語ずつ確かめ、必要ならデザインツールで仕上げるよう案内しています。
原因1:文字を「形」として描いている
画数の多い漢字や、ひらがなとカタカナの細かい違いは、形として描くと崩れやすい部分です。僕の会社の画像生成スキルにも、AIに文字を描かせない理由として「他の言語の数字や崩れた文字が混ざるため」と書いてあります。
原因2:入れる文字が長い・小さい・多い
キャッチコピー、注意書き、料金表のように文字が多いほど、どこかが崩れる確率は上がります。Codexのドキュメントも、画像の中の文字は短くし、ほかの文字を入れてよいかどうかまで指示するよう勧めています。
原因3:指示していない小物に文字が出る
書類、パソコンの画面、看板、名札のような「文字が書いてあるはずの物」を描かせると、頼んでいない文字が勝手に入ります。しかも、たいていは読めない崩れた文字です。広告の写真素材で一番見落としやすいのが、この背景の文字です。
| 症状 | 主な原因 | まずやる対処 |
|---|---|---|
| 見出しの漢字が別の字や存在しない字になる | 文字を形として描いている | 文字を描かせず、後からHTMLなどで重ねる |
| 長いコピーの一部だけ崩れる | 文字が長い・小さい・多い | 画像に入れる文字を短い見出しだけにする |
| 画面や書類に読めない文字が出る | 文字が出る小物を描かせている | 小物ごと指示から外すか「文字なし」と明記する |
| 数字に他の言語の文字が混ざる | 文字を形として描いている | 数字は必ず後から入れる |
日本語の崩れを防ぐ対処手順(絵と文字を分ける)
対処の基本は、絵と文字を別々に作ることです。AIには文字のない絵だけを描かせ、日本語の見出しやコピーは、HTMLとCSSなど文字を正確に扱える方法で上に重ねます。画像側にどうしても文字を入れたい場合だけ、短い文字を正確に指定して、1字ずつ確認します。
文字入れとは、写真やイラストの上に、見出し・コピー・ボタンなどの文字を配置する工程のことです。僕の会社では、この工程を画像生成から切り離しています。手順は次の5つです。
- プロンプトで文字を禁止する:「文字・数字・ロゴ・透かしを入れない」と書きます。画面や書類が写る場合は「抽象的な図形や線だけ」と添えます。
- 文字が出る小物を外す:名札、看板、書類の表紙など、文字が書かれていそうな物は、構図に必要なければ指示から消します。
- 生成した画像を目で検品する:意図しない文字、崩れた文字、透かしが無いかを確かめます。1つでもあれば不合格です。
- 日本語は後から重ねる:合格した絵を背景にして、HTMLとCSSで見出しやコピーを組み、画像として書き出します。フォントで組むので誤字が出ず、文字だけの修正もすぐできます。
- 比率違いは文字側で作り分ける:同じ絵と同じ文字を、正方形・縦長・横長に組み替えて書き出します。
gpt-image-2をClaude CodeからCodex経由で動かす構成そのものは、gpt-image-2の使い方と0円運用の実録にまとめています。この記事では、文字の崩れに絞って書きます。
どうしても画像の中に文字を入れたいとき
ロゴの手描き文字のように、文字そのものが絵になっている場合は、画像生成で描かせることもあります。そのときは公式ドキュメントのコツに従います。
- 入れる文字をかぎかっこで正確に指定し、大文字・小文字もそのとおりに書く(Codexのドキュメント)
- 書体の雰囲気・大きさ・色・位置まで書く(同上)
- ほかの文字を入れてよいかどうかを明記する(同上)
- 先に文字の内容を決めてから、その文字を含む画像を作る(Google Cloudの制限事項のページ)
GoogleのGeminiの画像生成では、Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)が文字の描画に強いと紹介されています。Google Cloudのドキュメントでも、日本語(ja-JP)は最適な結果が出やすい言語の一覧に入っています。ただし、これは「崩れない」という保証ではありません。どのモデルでも、出てきた文字は1字ずつ確かめる前提で使います。
裏方で実際に起きた例:日本語を描かせない運用に変えるまで
僕の会社は、2026年8月21日に画像生成の仕組みを作ったときから「AIに文字を描かせない」と決めました。きっかけは、他の言語の数字や崩れた文字が混ざることでした。その後も、人物写真の撮り直しの中で、文字が出そうな小物を指示から消して対応しています。
最初に決めたのは役割の分担です。社内の画像生成スキルでは、写真やイラストの素材を作る工程と、文字・ロゴ・レイアウトを載せる工程を分けました。素材はCodex CLI経由のgpt-image-2で作り、文字はHTMLとCSSで組む別のデザインの型に任せます。ChatGPTはPlusの契約で、その利用枠の中で動かしています。
例外の扱いも決めてあります。Nano Banana Proの日本語の描画は例外の候補にしていますが、このルールを決めた2026年8月21日の時点では未検証でした。僕が検証結果を見てOKを出すまでは、本番の広告には使わない決まりです。
実際に文字のリスクに当たったのは、2026年9月29日の自社サイト用の写真でした。「エンジニアが依頼者と一緒に業務アプリを作っている場面」をCodex経由で作ったところ、首から名札(IDカード)を下げた人物が出ました。名札には崩れた文字が出るリスクがあるので、小物ごと指示から消しました。この回は、構図を探す低画質3枚と清書の高画質3枚を作り、採用は6枚中1枚です。1枚あたりの生成時間は81〜152秒でした(生成記録のログから算出)。
この記事のアイキャッチも同じ考え方で作っています。イラストは「文字・数字・ロゴを入れない」という指示つきで生成し、日本語の見出しは後からプログラムで重ねています。2026年10月3日の実測では、文字のないイラスト1枚の生成に65秒かかりました。
日本語が崩れた画像を二度と出さないための再発防止
再発防止で効いたのは、人の注意力に頼らず、ルールを仕組みに書き込むことです。僕の会社では、文字の禁止をプロンプトの決まり文句として自動で付け、検品のチェック項目にも「意図しない文字」を入れています。撮り直しの回数にも上限を決めました。
具体的には、次の3つを社内のルールにしています。
- 文字の禁止を毎回自動で付ける:記事のアイキャッチを作る仕組みでは、文字・数字・ロゴ・画面の中の文字を禁止する一文を、プロンプトに毎回自動で足しています。人が書き忘れても入ります。
- 検品の5項目に「文字」を入れる:手や顔の破綻、意図しない文字・崩れた文字・透かし、構図、色、AIっぽさの5項目を、生成した画像を開いて確かめます。
- 1カット3回まで:不合格なら敗因を1つに絞って指示を直し、撮り直します。3回続けてだめなら、プロンプトの組み方そのものを見直します。
こうしたルールは、Claude Codeの「スキル」として登録しておくと、頼むたびに自動で読み込まれます。仕組みはClaude Codeのスキルとはで解説しています。Codexで写真を作り、文字はHTMLで載せる分担はCodexの使い方でも触れました。
業務で使うときの注意(費用・権利・確認体制)
業務で使うときは、利用枠の減り方、生成画像の表示、広告の文字の最終確認の3点に気をつけてください。特に広告のコピーは、数字1つの誤りでも出せません。画像生成AIに文字を任せない運用は、品質だけでなく、修正の速さとチームでの分担のしやすさにも効きます。
- 利用枠:Codexのドキュメントによると、画像の生成はふつうのやり取りより平均3〜5倍速く利用枠を減らします。僕の会社では、自社サイト用の写真を高画質で約20枚作ったところで
Your workspace is out of creditsと表示されて止まりました。文字の崩れで撮り直しが増えるほど、枠も減ります。 - 生成画像の表示:Googleの公式ドキュメントでは、Geminiで生成した画像にはすべてSynthIDの透かしが入ると書かれています。目に見えない透かしですが、納品前に案件の条件と合うか確かめておくと安心です。
- 最終確認は人が全文読む:画像の中に文字を入れた場合は、誤字・数字・料金表記を人が1字ずつ読みます。HTMLで重ねた文字なら、元の原稿と照合するだけで済みます。
- チームで使うとき:文字の部分をHTMLの型にしておくと、デザイナーでない人でも文字だけ差し替えられます。コピーの修正のたびに画像を作り直す必要がありません。
こうした制作フローの組み立ては、業種や作る量によって答えが変わります。弊社では、画像生成を含めたAI活用の立ち上げを支援しています。詳しくはウラカタのサービス一覧をご覧ください。
よくある質問
画像生成AIで日本語をきれいに出すコツはありますか?
入れる文字を短くし、かぎかっこで正確に指定して、書体・大きさ・色・位置まで書くと崩れにくくなります。OpenAIの公式ドキュメントもこの書き方を勧めています。ただし長いコピーや広告の文字は、1字ずつ確認するか、後から別のツールで入れるほうが確実です。
Nano Banana Proなら日本語は崩れませんか?
崩れないとは言い切れません。Googleの公式ドキュメントでは、Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)は文字の描画に強いとされ、日本語も推奨言語に入っています。それでも僕の会社では、自社で検証してOKを出すまでは本番の広告に使わないルールにしています。
崩れた文字が入った画像は広告に使ってもよいですか?
使わないほうが安全です。読めない字や他の言語の数字が混ざった広告は、見た人に誤った情報や不信感を与えます。僕の会社では、意図しない文字が1つでも写っていたら不合格にして、指示を直して作り直しています。