この記事の結論
mlx-whisperはApple シリコンのMac専用で、Intel Macでは依存のmlxが見つからずpip installごと落ちます。僕の会社の2026年9月の手順書では、arm64と空き容量10GB以上を事前の確認項目にしました。
目次8項目
【無料・メールだけ】Claude Code 2daysセミナー(第二の脳構築講座)の次回開催の案内を受け取る →
mlx-whisper を Mac に入れる前に僕が確かめるのは、uname -m が arm64 かどうかの1点です。Apple シリコン専用で、Intel の Mac では依存の mlx が見つからず、pip install ごと落ちるからです。僕の会社の手順書でも、この行を確認表のいちばん上に置いています。
2026年9月4日、動画編集の講座の受講者向けに、僕の会社で環境構築の手順書を作りました。事前の確認項目は9行で、arm64 と並べて「空き容量10GB以上」も入れています。文字起こしのモデルが、初回に約1.5GBを落としてくるためです。
この記事では、Intel の Mac で落ちる本当の理由、入れる前の確認手順、初回ダウンロードと空き容量を書きます。「whisper を Mac で動かしたいけど、自分の Mac で入るの?」と迷うなら、確認だけ先に済ませてください。
mlx-whisper は Apple シリコンの Mac で Whisper を動かす道具
mlx-whisper は、OpenAI の音声認識モデル Whisper を、Apple シリコンの Mac で動かすための Python の道具です。
PyPI の説明も、MLX と Hugging Face Hub を使って Apple シリコンで Whisper を動かすもの、という一文です。
「mlx whisper」と空白で検索されることもありますが、pip で入れる名前は mlx-whisper、打つコマンドは mlx_whisper です。つなぎの記号が違うので、打ち間違えに気をつけます。
土台の MLX は、Apple の機械学習の研究チームが作った計算の仕組みです。公式の README は、MLX を Apple シリコン向けの配列の枠組みと説明しています。
入れ方は公式の README に2行で書かれています。音声を読むための ffmpeg を Homebrew で入れ、そのあと pip で本体を入れます。
brew install ffmpeg
pip install mlx-whisper
使い方は、ターミナルで mlx_whisper に音声ファイルを渡すだけです。mlx_whisper audio_file.mp3 なら、同じ名前の audio_file.txt に文字起こしが書かれます。
モデルは --model で選び、出力の形式は -f で変えます。ほかの指定は mlx_whisper -h で一覧が出ます。
mlx_whisper audio_file.mp3 --model mlx-community/whisper-large-v3-turbo
1つ気をつけたいのは、Python から呼ぶときの既定のモデルです。公式の README では、何も指定しないと mlx-community/whisper-tiny が使われます。
tiny は軽い代わりに、精度は大きいモデルに及びません。僕の会社の仕組みは、モデルを whisper-large-v3-turbo に決めて呼んでいます。
import mlx_whisper
result = mlx_whisper.transcribe(
"voice.m4a",
path_or_hf_repo="mlx-community/whisper-large-v3-turbo",
)
print(result["text"])
path_or_hf_repo には、手元のフォルダか Hugging Face のリポジトリ名を渡せます。リポジトリ名なら、初回に自動でダウンロードされます。
Intel Mac で pip install が落ちるのは、依存の mlx に x86_64 向けの配布物が無いから
Intel の Mac で pip install mlx-whisper を打つと、mlx の No matching distribution で止まります。本体ではなく、依存の mlx が見つからないという意味です。
ここは僕の会社の手順書でも、書き方が1か所ずれていました。確認表の行には「mlx-whisper の wheel が無く」と書き、つまずき早見表には「mlx に Intel Mac 用の wheel が無い」と書いています。
ここでいう wheel とは、pip がそのまま入れられる形に組み上げ済みの配布ファイルです。Mac 用なら、Apple シリコン(arm64)用か Intel(x86_64)用かがファイル名に入ります。
2026年11月3日に PyPI で見ると、mlx-whisper の配布物は py3-none-any の1つだけでした。どの機械でも入る形なので、本体は Intel の Mac でも落ちません。
落ちるのは依存の方です。公式リポジトリの依存の一覧には mlx>=0.11 があり、mlx の最新 0.32.4 の macOS 用 wheel は arm64 の3種類だけでした。
ソースから組み立てる配布物(sdist)も、一覧にはありませんでした。pip は Intel の Mac に合うファイルを1つも見つけられず、mlx-whisper の入れ方ごと止まります。
| 何を見るか | 2026年11月3日の公式の情報 | Intel の Mac では |
|---|---|---|
| mlx-whisper 本体 | 0.4.3・py3-none-any の wheel が1つ・Python 3.8以上 | 入る |
| 依存の mlx | 0.32.4・macOS は macosx_14_0_arm64・15_0・26_0 の arm64 だけ・Python 3.10以上 | 入らない |
| MLX の動く条件 | Apple シリコン・macOS 14.0以上・ネイティブの Python 3.10以上 | 当てはまらない |
この表で分かるのは、Intel の Mac では「設定を直せば入る」道が見当たらないことです。僕の会社の判断は、事前の確認で Intel の Mac を対象外にする、でした。
Apple シリコンでも落ちるのは、Python がネイティブでないとき
MLX の公式ドキュメントには、OS と Python の版が条件を満たすのに pip が見つけられない場合の説明があります。原因はおそらくネイティブでない Python、という書き方です。
Apple シリコンの Mac でも、Python が Rosetta 経由で動いていると、arm64 用の mlx は選ばれません。結果は、Intel の Mac と同じ No matching distribution になります。
公式が案内する確かめ方は1行です。結果が arm ならネイティブ、M シリーズの Mac で i386 ならネイティブでない Python と書かれています。
python3 -c "import platform; print(platform.processor())"
僕の会社の手順書は、Python を /opt/homebrew/bin/python3.12 のフルパスで呼ぶ形にしています。それでも入らないときは、まず上の1行で arm が返るかを見るのが早いと考えています。
whisper mac で入れる前の確認手順:arm64・Python・空き容量の3点
入れる前の確認は、ターミナルで数行打つだけです。僕の会社の手順書の確認表から、mlx-whisper に関わる行を抜き出すと次のようになります。
- CPU を見る:
uname -mがarm64なら Apple シリコン。x86_64なら Intel の Mac で、mlx-whisper は入らない - Python を見る:
/opt/homebrew/bin/python3.12 --versionがPython 3.12.xと出る(MLX の条件は 3.10以上) - ネイティブかを見る:上の
platform.processor()の1行がarmを返す - ffmpeg を見る:
ffmpeg -version | head -1で版が出る(公式の README が前提にしている) - 空き容量を見る:
df -h ~ | tail -1で10GB以上空いている - macOS の版を見る:14.0以上(MLX の公式ドキュメントの条件)
1・2・4・5 は手順書の確認表にある行です。3 と 6 は手順書には無く、この記事のために MLX の公式ドキュメントを読んで足しました。4 の合格ラインは、手順書では 8.x 以上です。
10GB の注記は、手順書では「Whisper モデルの初回DL+素材」です。モデルだけなら2GB弱ですが、文字起こしをする音声や動画も同じ Mac に置く前提で見ています。
どれか1つでも外れたら、mlx-whisper を入れる前に直します。とくに1で x86_64 が出たら、その先へ進んでも時間を使うだけです。
2026年9月、動画編集の講座の手順書で「arm64」と「空き10GB」を確認項目にした
2026年9月4日に作った手順書は、受講者が自分の Mac に動画編集の自動化の環境を作るためのものです。対象は macOS(Apple シリコン)と CapCut の PC 版で、Windows は対象外と最初に書きました。
確認表は9行で、開催の3日前までに受講者が自分で確かめる形にしています。1行目が CPU の uname -m、8行目が空き容量の df -h ~ | tail -1 です。
確認表の1行目に「Intel の Mac は対象外」と書いた理由
mlx-whisper を入れるのは、手順書の C-2 の4番目、pip install -r requirements.txt の行です。この一覧には、画像の測定や無音の検出に使う部品も1本にまとめてあります。
Intel の Mac では、この1行が mlx で止まります。止まると、文字起こし以外の部品も入りません。だから当日の作業の途中ではなく、事前の確認表で切ることにしました。
つまずき早見表にも、同じ症状の行を入れています。requirements の pip install が mlx の No matching distribution で落ちたら、まず uname -m を見る、という行です。
当日に Intel の Mac で来てしまった場合の対処も決めました。講師の Mac で一緒に作業する形に切り替えます。
講師の Mac の実測と、初回ダウンロードを休憩前に回した判断
手順書を作った日の講師の Mac の実測は、Python 3.12.13(Homebrew)、ffmpeg 8.1.1、uv 0.11.16 でした。CPU は arm64、空き容量の欄は数値を書かずに空けています。
文字起こしのモデルは、既定で mlx-community/whisper-large-v3-turbo を使います。手順書には「1.5GB・初回のみ」と書きました。
回線しだいで数分かかるので、ダウンロードは午前の休憩に入る前に始めてもらう段取りにしました。待ち時間を休憩に重ねて、作業の手を止めないためです。
始めるコマンドは、音声と台本の割り当てを解析だけする試し実行です。wav や下書きは書かず、文字起こしが一度通るので、モデルの取得も済みます。
それでも落ちてこない人には、講師の USB からモデルのフォルダを写す手を用意しました。次の章の「置き場所」が、そのときに効いてきます。
動いた後の速さは、CapCutの下書きをClaude Codeで作る仕組みに書きました。
2026年9月5日に17.3秒・8行の練習の録音で測ると、モデルを落とし終えた状態で全体6〜7秒でした。
初回ダウンロードと空き容量:whisper-large-v3-turbo は約1.6GB
whisper-large-v3-turbo は、初回に1回だけダウンロードされます。Hugging Face のページでは、このモデルの大きさは1.61GBと表示されていました。
手順書の「1.5GB」と数字が違うのは、単位の数え方の違いと僕は読んでいます。1.61GB を1,024の3乗で割ると約1.50になり、手順書の値と合います。どちらの単位で測った値かは、記録に残していません。
置き場所は、僕の会社の環境では次のフォルダでした。2回目からはここを読むので、ダウンロードは起きません。
~/.cache/huggingface/hub/models--mlx-community--whisper-large-v3-turbo
手順書には、USB から写すときは hub/ の下に「フォルダ名を1文字も変えずに置く」と書きました。名前が変わると別のモデルとして扱われ、もう一度ダウンロードが始まります。
空き容量は、モデルだけで考えると足りなくなります。手順書の講師メモでは、Python の作業用の環境(.venv)だけで実測1.3GBありました。
| 何が場所を使うか | 大きさ | 出所 |
|---|---|---|
| whisper-large-v3-turbo のモデル | 1.61GB(Hugging Face の表示)・手順書では1.5GB | 公式のページ・手順書 |
| Python の作業用の環境(.venv) | 1.3GB(実測) | 手順書の講師メモ |
| 動画と音声の素材 | 案件しだい | — |
モデルと作業用の環境だけで約3GBになり、そこへ素材が乗ります。この内訳から見ても、10GB の下限は無理のない線だと僕は考えています。
モデルを変えると、必要な場所も変わります。公式の README によると、Whisper のモデルは3,900万から15億パラメータまで幅があります。大きいモデルに替えるなら、空き容量も見直してください。
Intel の Mac しか無いときと、業務で使うときの注意
Intel の Mac しか無いなら、mlx-whisper を入れようとしないのが一番の近道です。僕の会社では、Intel の Mac で動かす別の方法は試していません。
講座の当日も、Intel の Mac を直そうとはせず、講師の Mac で一緒に作業する形に切り替えると決めました。入らない理由が配布物の有無なので、手元の設定では直らないと見ているためです。
業務で使うときは、版の違いに気をつけます。この記事の数字は、2026年11月3日に PyPI で見た mlx 0.32.4 と mlx-whisper 0.4.3 のものです。
mlx の wheel の種類や macOS の条件は、版が上がると変わる可能性があります。入れる前に、自分の Mac で上の確認手順を一度通してください。
音声の扱いも決めておきます。公式の README の説明は、モデルを手元に落とすか手元のフォルダを指定して、Mac の上で文字起こしをする形です。
ただし初回は Hugging Face からモデルを落とします。社外に出せない音声を扱うなら、ダウンロードを済ませた Mac で作業する段取りにしておくと安心です。
文字起こしの中身では、無音の区間で同じ言葉をくり返すことがあります。これはインストールとは別の問題なので、この記事では扱いません。
ffmpeg は mlx-whisper の前提です。同じ手順書の確認で、Homebrew の ffmpeg に文字を描く機能が無いことも分かりました。
その話はffmpeg drawtextが使えない原因と直し方に書いています。文字起こしには影響しませんが、動画も作るなら一緒に確かめておくと迷いません。
まとめ
- mlx-whisper は Apple シリコンの Mac 専用です。Intel の Mac では、依存の mlx に macOS の x86_64 向けの配布物が無く、
pip installごと止まります - Apple シリコンでも、Rosetta 経由の Python だと同じエラーになります。
platform.processor()がarmを返すかを見ます - 入れる前に
uname -m・Python の版・ffmpeg・空き容量・macOS の版を確かめます。僕の会社の手順書の基準は arm64 と空き10GB以上です - whisper-large-v3-turbo は初回だけ約1.6GBを落とします。置き場所のフォルダ名は変えません
- 僕なら、mlx-whisper の話をする前に、まず
uname -mの1行を打ってもらうところから始めます
よくある質問
Intel Macでmlx-whisperを入れる方法はありますか?
2026年11月3日にPyPIで見た限り、依存のmlxにはmacOSのx86_64向けの配布物もソースの配布物も無く、pipでは入りません。僕の会社では、Intel Macは事前の確認の段階で対象外にし、当日に来た場合はApple シリコンのMacで一緒に作業する形にしています。
Apple シリコンのMacなのに No matching distribution が出ます。
MLXの公式ドキュメントは、原因はおそらくネイティブでないPythonだとしています。Pythonのplatform.processor()がarmを返せばネイティブで、i386ならネイティブでないPythonです。あわせてmacOSが14.0以上か、Pythonが3.10以上かも確かめてください。
文字起こしのモデルはどこに保存されますか?
僕の会社の環境では、whisper-large-v3-turboは初回に ~/.cache/huggingface/hub/models--mlx-community--whisper-large-v3-turbo に落ちてきました。2回目からはここを読むので、ダウンロードは最初の1回だけです。フォルダ名を変えると、もう一度ダウンロードが始まります。
